三菱重工業は、広島高速交通が運営する新交通システム「アストラムライン」向けの新型車両7000系AGTの最終編成分にあたる第24編成の納入を完了したと2月12日に発表。県内の車両工場で製造し運行する“地産地走”に寄与したとアピールしている。
7000系AGT(Automated Guideway Transit:電力駆動により完全自動走行する、ゴムタイヤ方式の新交通システム)は、1994年のアストラムライン開業時から運行する他社製車両の後継として、三菱重工が2020年に受注したもの。広島県内の三菱重工業三原製作所(三原市)で製造された車両を、同じ県内の広島市で運行する地産地走を通じて、地域の持続的発展に貢献したいという関係者の思いが集約されているという。
軽量で高い耐久性とリサイクル性を備えたアルミ構体を車体に採用したほか、フリースペースの設置などにより乗客の利便性向上を図ったのが特徴。三菱重工は累計24編成(144両)の車両を納入しており、今回の納入で同路線の車両はすべて三菱重工製になったという。今回納入した第24編成は2月4日に営業運転を開始した。
アストラムラインは、広島市中心部の本通駅から北西に位置する都市拠点・西風新都の広域公園前駅までを結ぶ路線で、車体のクロームイエロー(和名:やまぶき色)は「平和、寛大、理想」という色の意味を持っており、国際平和都市・広島の公共交通として利用者に親しまれている。路線延長は、新交通システムでは日本最長となる18.4km。