Helpfeelは1月28日、検索型AI-FAQ「Helpfeel(ヘルプフィール)」について、新たな検索アルゴリズム「意図予測検索3」を3月10日にリリースすることを発表した。意図予測検索3はHelpfeel独自技術の「意図予測検索」と、RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)を掛け合わせたアルゴリズム。
意図予測検索3の概要
RAGは生成AIによる出力を最適化するプロセスで、モデルが学習済みのデータに加えて社内に蓄積した資料など外部データベースの情報を参照するため、最新の情報や個社のデータを反映した処理が可能。しかし、従来のRAGは膨大な社内文書を対象にすると期待通りの回答を得られない課題があった。
これに対し、意図予測検索3は従来技術の約10倍に相当する数千ページの社内文書や規程・マニュアルなどの検索が可能になるという。さらに、生成AIによる誤った回答(ハルシネーション)を抑え高精度な回答を提供する仕組みも備える。
この機能により企業内に散在する大量の文書やデータから効率的に事実に即した情報を見つけ出せるようになり、業務時間の削減や生産性の向上を支援する。同社は今後、次世代のAIエージェントにつながるAI研究と製品開発を進めるとのことだ。
従来のRAGでは膨大な資料から期待通りの回答を得られず
企業内には規程や仕様書、マニュアル、FAQといったさまざまな文書や情報が散在している。Helpfeelの調べによると、従業員は日常的に社内の情報検索に1日当たり平均1時間以上を費やしているそうだ。
そのため、大規模なデータ処理に優れた生成AIやLLM(Large Language Models:大規模言語モデル)を活用し、社内文書を一元化して効率的な検索を可能にするRAGが企業の生産性向上に期待されている。
一方で、複雑なデータから正しい情報を抽出のは困難であり、生成AIの文脈理解における限界といった理由から誤った回答を生成するリスクもあり、期待通りの正しい回答を得るのが難しいという課題も残される。
意図予測検索3はナレッジグラフを活用して要約回答を実現
意図予測検索3はナレッジグラフを活用して、従来のRAGが抱える課題の解決を図ったという。ナレッジグラフとはGoogleの検索アルゴリズムにも用いられている技術で、情報を構造化して表現するデータモデル。この技術により、生成AIは従来のRAGと比較して物事の関連性をより正確に理解できるようになるため、誤った回答の生成が防げるという。