キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は1月24日、「EDI-Master Cloud for AnserDATAPORT 接続サービス」の新たな機能として、外国送金業務(ISO20022)に対応する「外国送金通信オプション」と「外国送金変換オプション」を4月から提供開始すると発表した。

新機能を提供する背景

グローバルにビジネスを展開する企業にとって、外国送金は重要な業務で日本国内の企業から海外企業への送金には、国内銀行を通じてSWIFT(国際銀行間金融通信協会)が提供する銀行間のグローバルネットワークを経由し、海外銀行と送金電文を授受している。

SWIFTは、国際的なアンチマネーローンダリングの規制強化や送金処理の迅速化などの課題に対応するため、今年11月までに外国送金で使用する電文を国際標準規格ISO20022に準拠した新たなフォーマットに移行することを発表している。

これに伴い、ファームバンキングを利用した外国送金業務を行う企業は、11月までに新たな伝送手順・ファイルフォーマットへの変更に迫られている。

新機能の特徴

このような状況を踏まえ、同社はNTTデータが提供する企業と国内金融機関との間をつなぐファームバンキングサービス「AnserDATAPORT」と連携する「EDI-Master Cloud for AnserDATAPORT 接続サービス」のオプションとして、外国送金通信オプションと外国送金変換オプションの提供を開始する。外国送金に必要なEDI機能/回線をすべてクラウド上に備え、ISO20022対応にかかるリードタイムと移行負荷を削減するという。

  • 「外国送金通信オプション」と「外国送金変換オプション」の利用イメージ

    「外国送金通信オプション」と「外国送金変換オプション」の利用イメージ

主な特徴として、ISO20022準拠のAnserDATAPORTとの接続に必要な「JX手順通信」「依頼/照合/取消データの作成(BAH付加/削除)」「結果データの取得」の機能を利用できるほか、ISO20022フォーマット(XML)への変換機能を提供し、基幹システム側の改修コストを低減する。

また、AnserDATAPORTとの接続に必要なConnecure回線はEDI-Master Cloudで敷設済みの回線を使用するため、ユーザーは自社で回線を用意する必要がないことに加え、Connecure回線の運用はキヤノンITSが行うことから、AnserDATAPORTの利用における運用の負荷を軽減できるという。

さらに、国内ファームバンキングで利用されている全銀TCP/IP手順にも対応しており、内国為替ファイルの伝送と外国送金依頼ファイルの伝送をEDI-Master Cloudで実現することを可能としている。価格はEDI-Master Cloud for AnserDATAPORT 接続サービスが税別で月額10万円、外国送金通信オプション、外国送金変換オプションは個別見積もり。