太陽誘電は、メタル系パワーインダクタで世界最薄という0.33mmを実現し、体積でも世界最小を達成した製品を、同社子会社の和歌山太陽誘電で12月から量産開始した。サンプル価格は1個50円。米ラスベガスで開催される「CES 2025」に出展する。
太陽誘電では、高い直流重畳特性を持つ金属系磁性材料を使い、積層メタル系パワーインダクタMCOIL LSCNシリーズのラインナップを拡充している。
今回、量産開始した「LSCND1005CCTR47MH」は、スマートフォンやスマートウォッチ、AR/VRグラス、TWS(完全ワイヤレスイヤホン)といった、ウエアラブル端末の電源回路向けチョークコイル用途のパワーインダクタ。積層工法の強みを活かすことで、従来品(LSCNB1005EETR47MB)よりも高さを4割抑え、世界最薄・最小を実現したという。大きさは1×0.5×0.33mm(高さは最大値。従来品の高さは0.55mm)。
スマートフォンやAR/VRグラス、ウェアラブル端末は、機器の高機能化に伴うプロセッサの高性能化や各種センサの増加、カメラの多眼化、バッテリーの大容量化に伴い、搭載される電子部品の小型・薄型化が欠かせない。
特にスマートフォンでは、大画面と小型化を両立する折りたたみ化や基板の多層化に伴う電子部品の薄型化が強く求められている。また、AR/VRグラス、TWSやスマートウォッチなどウエアラブル端末は、薄型で快適な装着感を実現するために、搭載される部品にも小型・軽量かつ薄型化が必要となる。
太陽誘電では今後も市場からのニーズに応え、高性能化・高信頼化などラインナップ拡充を進めるとしている。