NECは12月19日、病院経営の最適化や持続可能な地域医療の実現に向けた医療機関・関係機関のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を目指し、地域医療の生成AI早期実装を支援する「ヘルスケア生成AI活用プラットフォーム」を2025年2月から提供開始することを発表した。また、同時にサービスの拡充と新たな価値創造をさまざまなパートナーとともに実現する「BluStellar 共創パートナープログラム / 生成AI for Healthcare」を開始する。
同社はこれらの取り組みを通じ、パートナーとの共創による医療DX事業において、2030年度までに100億円の売上を目指す。
サービス提供の背景
近年、国内では人件費や物価の高騰などによる病院経営の悪化、高齢化に伴う医療・介護サービスの需要増大による医療従事者不足など、地域医療経営の最適化と地域医療体制の維持が社会課題となっている。これらの課題に対応するため、DXの推進で業務効率化を図るだけでなく、病院経営の改善なども期待されている。
同社は昨年度から生成AIを早期に社会実装し、それらの課題解決に向けた実証やサービス化を進めているほか、8~9月には医療機関やパートナー企業と開催したワークショップを通じて、生成AIが病院経営や患者ワークフロー、自治体連携など、これまで以上に多くの場面で活用できることを確認している。
ヘルスケア生成AI活用プラットフォームの概要
ヘルスケア生成AI活用プラットフォームは、医療機関や関係機関において生成AIを有効活用するための基盤となるサービス。
具体的には、医療データを生成する「生成AI」、クラウド上の生成AIサービスへ安全・安心に接続するための「クラウドセキュア接続サービス」、そして医療データを匿名化して活用する「匿名化医療データ活用基盤」で構成されている。これらを活用することで、医療機関や関連機関における生成AIの早期実装に貢献する。
販売価格は月額3万5000円(税別)~で、別途初期導入費用(システム環境構築費用など)が必要となる。
パートナープログラムの概要
また、同時に立ち上がるBluStellar 共創パートナープログラム/生成AI for Healthcareでは、地域医療の課題解決に貢献するソリューションを、パートナーおよびNECの製品・サービスを組み合わせて創出・提供することを目指す。
その実現に向けて、パートナーに対し生成AI活用に向けた技術・ビジネス支援や、ソリューション拡販のための販売・マーケティング活動支援などに関する共創支援メニューを用意し、共創活動を加速していく。
NECは病院経営の最適化と持続可能な地域医療体制実現への貢献を目指し、今後も生成AIをはじめとしたデジタル技術の活用と、顧客やパートナーとの共創を通じて、医療DXを推進していく考え。