ヤンマーエネルギーシステムは、JERAの袖ケ浦火力発電所構内に、水素燃料電池発電システムなど計3機を納入したと11月29日に発表。水素燃料で発電するカーボンフリーな電力を、JERAが東宝スタジオに供給開始した。JERAでは、水素専焼のゼロエミッション火力で発電した電力の商用利用は日本初としている。
ヤンマーホールディングスのグループ会社であるヤンマーエネルギーシステムが、東宝スタジオのCO2ゼロエミッション化に向けてJERAに納入したのは、100%水素燃料で運転するヤンマー製の水素燃料電池発電システム「HP35FA1Z」(35kW)×2機と、独2G製の水素専焼エンジン発電システム(320kW)×1機(販売代理:ヤンマー)。
JERAは袖ケ浦火力発電所(千葉・袖ケ浦市)の構内において、水素発電設備を建設して試運転を完了。JERAの子会社であるJERA Crossを通じて、東宝スタジオへオフサイトで電力を供給し、水素専焼のゼロエミッション火力で発電した電力の商用利用を11月29日に開始した。
東宝スタジオ(東京・世田谷区)では前出の水素発電に加えて、JERAの太陽光発電設備からの電力供給も導入しており、今後は同スタジオのすべての電力を「24/7(twenty-four seven)カーボンフリー電力」(毎日24時間・毎週7日間、年間365日にわたってCO2を排出しない電力の名称)とする取り組みを、JERAとともに進めていく。
またヤンマーでは、JERAが収集した電力需要データや発電量予測をもとに、ヤンマーのエネルギーマネジメントシステムで水素発電の自動制御を行い、エネルギー利用の効率化に寄与するとのこと。