マクセルは、産業機器のバックアップ用全固体電池モジュールを開発したと11月28日に発表。10年以上の寿命が期待できる全固体電池モジュールを搭載しており、産業用ロボットなどのエンドユーザーの電池交換作業の手間を省いたり、生産性低下を抑えたりできるようになるという。
同社が2023年から量産を始めた、繰り返し使える二次電池であるセラミックパッケージ型全固体電池「PSB401010H」を最大5個搭載し、電源としたモジュール。充電回路や昇圧回路を備え、全固体電池の安全性・長寿命と、セラミックパッケージ型の耐熱性も活かしており、一次電池からの置き換えや、産業機器の新製品への搭載も可能とする。
主な仕様は以下の通り。
- 入力電圧:DC4〜24V
- 出力電圧:DC3.6V ※出力電圧や環境温度範囲はユーザーの要望に合わせて設定可能
- 出力電流:10μA〜10mA
- 搭載電池:全固体電池標準容量(参考) 8〜40mAh(搭載電池個数による)
- 環境温度:-10〜85度 ※同
産業用ロボットやプログラマブルロジックコントローラー(PLC)などのファクトリーオートメーションを実現する産業機器では、停電時のメモリやリアルタイムクロック(RTC)の電源バックアップ用電源として、一次電池(使い切りタイプ)を採用したものが多い。
バックアップ用に一次電池を使った産業機器では、定期的に電池交換を行う必要があり、製造ラインで稼働中の産業機器を一旦停止することで製造ラインの稼働率が低下。機器を使用する環境によっては、想定よりも早く電池寿命を迎えることもあり、生産現場によっては電池寿命を定期的に確認しているケースがあるとのこと。
同社ではこうした課題をもった顧客の声を受けて、産業機器向けバックアップ用モジュール開発したと説明している。