Microsoftは11月9日(米国時間)、「Windows Server 2025 known issues and notifications|Microsoft Learn」において、Windows Server 2019およびWindows Server 2022を実行中の一部デバイスが11月1日公開のWindows Server 2025(KB5044284)に自動アップグレードされたと報じた。更新管理にサードパーティー製品を利用している環境で、問題を確認したと報告されている。

  • Windows Server 2025 known issues and notifications|Microsoft Learn

    Windows Server 2025 known issues and notifications|Microsoft Learn

原因

Microsoftの発表によると、Windows Server 2025機能更新プログラムはアップグレード分類「DeploymentAction=OptionalInstallation」を指定したオプション更新プログラムとしてリリースされたという。しかしながら、サードパーティーの更新管理ソフトウェアはこのメタデータを「オプション」ではなく「推奨」と解釈したとみられ、その結果、自動アップグレードに至ったとされる。

手続き上の誤り

Bleeping Computerによると、Windows Server 2025アップグレードに割り当てられたナレッジベース番号「KB5044284」は、Windows 11バージョン24H2のセキュリティ更新プログラムと同じ番号とされる(参考:「Microsoft blames Windows Server 2025 automatic upgrades on 3rd-party tools」)。更新管理ソフトウェアを提供するセキュリティ企業の「Heimdal」は、これをMicrosoft側の手続き上の誤りと非難している。

なお、Microsoftはナレッジベース番号の共有について、次のように述べている。

Windows Server 2025とWindows 11バージョン24H2向けにリリースされる今後の更新プログラムでは、同じナレッジベース番号を共有しますが、リリースノートのサイトとリンクは異なります。

対策

Microsoftはサードパーティーの更新管理ソフトウェアを使用しているユーザーに対し、機能更新プログラムを展開しないように設定することを推奨している。

なお、Windows Server 2025の利用にはライセンスの購入が必要とされる。ライセンスの確認はアップグレード後に行われるため、自動アップグレードの影響を受けたユーザーはライセンスの支払いを余儀なくされる可能性がある。現在のところアップグレードしたWindows Server 2025をロールバックする手順は公開されていない。

追加の不具合

Microsoftは上記の不具合に加え、設定アプリのWindows UpdateページにWindows Server 2025へのアップグレードを提案するバナーが表示されたと明らかにした。本来はインプレースアップグレードを希望するユーザー向けの表示とされる。この不具合は情報公開の時点にて解決されている。