エクサウィザーズは11月5日、山陰合同銀行と協働で、生成AIを活用した広告クリエイティブ校正システムの検証を開始したことを発表した。画像の着目点を説明する生成AIシステム「exaBase Visual QA」を応用して、分析後に改善提案まで導出する。
山陰合同銀行は、業務DX(デジタルトランスフォーメーション)の一環として広告審査の関連部門での活用を検討しており、付加価値の高い業務に注力できる体制の構築を目指している。
山陰合同銀行の取り組み
山陰合同銀行の広告クリエイティブは、関係法令の遵守や各種ガイドラインなどルールへの対応が欠かせず、ノウハウを保有する担当職員による校正・修正に時間を要していた。
こうした作業を効率化するため、山陰合同銀行はエクサウィザーズの画像の着目点を説明する生成AIシステム「exaBase Visual QA」を応用した検証を始めた。生成AIの支援により、校正作業の効率化を目指している。
exaBase Visual QAの概要
exaBase Visual QAは、設定した条件に基づいて、人が画像を見た時に注目すべき点を確認できる、対話型のシステム。画像を扱う複数の生成AIモデルを活用可能。
今回、exaBase Visual QAを応用することで、業界特有の法令や各種ガイドラインといったルールを生成AIが参照し、遵守すべきルール通りにクリエイティブを作成しているかが点検した上で、クリエイティブの修正案や改善点を提案する。これにより、ノウハウの共有や品質の均一化が可能となる。クリエイティブに対する改善提案もわかりやすく提示する。
具体的な検証内容と現在までの成果について
同システムでは、チャット形式で設定した条件に基づいて、画像の着目点の内容を把握してチェックする。関係法令や各種ガイドラインに対して、複数のチェックリストを作成して条件として入力している。
今回の検証を通して、「ガイドラインや業法などのルールに沿ってクリエイティブが制作されているか、項目ごとに『〇・×・判定不能』で出力する」「判定した結果、ガイドラインや業法などのルールと比べて、どこにどのような違いがあるかを示したり、クリエイティブの改善点について提案したりする」「クリエイティブの改善点については、提案内容の方向性のチューニングなど、今後改良の余地がある」といった点が分かっているという。