【レジ通さず買い物できる通常店舗を初出店】ローソンと東急、「二子玉川駅」構内に期間限定で運営

ローソンは10月10日、東急や東急ストアと共同で、東急電鉄「二子玉川駅」構内にて、商品を手に取って店外へ出るだけで買い物が完結する「ローソンS Lawson Go +toks 二子玉川店」を10月18日に開設すると発表した。

ローソンは2020年からオフィスビルで従業員など限られたお客様のみが利用できるウォークスルー決済導入店舗を展開してきたが、一般顧客も利用できる通常店としてウォークスルー決済導入店舗を出店するのは初めてだという。同店は東急ストアがローソンのフランチャイジー(加盟店)として運営し、2024年10月18日~2025年3月14日まで期間限定で営業する。

店舗の営業時間は7:00~20:00。売場面積は16.99㎡(5.14坪)でおにぎり、ベーカリー、飲料、菓子などを中心に約380アイテムを販売する。酒、たばこ、フライドフーズ、冷凍食品、アイス、雑誌・書籍の取り扱いはなく、ATM、各種収納代行、Loppi、ゆうパックなどのサービスの取り扱いもない。

▲利用方法のイメージ

今回の仕組みは、NTTデータと店舗DXソリューションを手がける海外スタートアップ、Cloudpick(クラウドピック)が協働で開発したシステム「Catch&Go」を導入して実現する。「Catch&Go」は店舗の大きさや什器配置を標準化した、新規開発の「Catch&Goパッケージ店舗」となる。

コミュニケーションアプリ(LINE)で取得したQRコードをかざして入店し、商品を手に持って店外に出ると、事前に設定したクレジットカード情報で、自動的に決済が完了する。店内設置のカメラで顧客の動きを確認し、商品が置かれた棚の重量センサーと合わせることで、顧客がどの商品をいくつ手にとったのかをAIが判別する。

国内での利用率が90%を超えるLINE上で動作するシステムを新規に開発したことで、利用時に必須であった専用ネイティブアプリのインストールを不要とし、初めての利用者であっても快適に利用できるという。

<人手不足の課題解決に向け検証>

流通小売業において、労働人口の減少による人手不足が課題となっており、店舗で働く従業員の業務負荷軽減、店舗での生産性の向上による持続的な店舗運営が求められている。

ローソンは、リアルの店舗ならではの人と人とのつながりから生まれる温かみとデジタル技術を活用した顧客の利便性が両立する「Real×Tech Convenience」の実現を目指し、セルフレジやAIによる発注システムの全店導入、一部店舗でアバターによる接客やスマホレジの導入を行い店舗の生産性向上を進めてきた。

東急や東急ストアは、「期待を超える顧客体験の提供」という事業ビジョンのもと、駅を利用する顧客や商業施設従業員などさまざまな人への時短需要に対応するためセルフレジの導入や、スマートフォン提示でカードレスにクレジットカード決済ができる「TOKYU CARD スマート払い」などのサービスを展開している。

ローソンと東急は2005年11月に、駅型コンビニエンスストア店舗を共同で業態開発し、東急線駅構内および駅周辺において出店を推進していくことについて業務提携契約を締結した。2006年から、駅売店の店舗機能と、コンビニエンスストアの店舗機能を合わせた「LAWSON + toks(ローソン プラス トークス)」として出店を開始した。

2022年3月より東急ストアが運営し、現在、東急線沿線の駅構内および駅周辺において38店舗を展開している。本年5月には、東急ストアとのコラボ商品第3弾を関東甲信越エリアで発売し、多くの顧客に好評を得ているという。

今回、3社が連携し、駅構内における買い物時間の最短化と、店舗運営の効率化を可能とする、ウォークスルー決済導入店舗を展開する。展開期間を経て顧客の利用状況などを検証し、今後の拡大を検討する方針だ。