BPO(Business Process Outsourcing)サービスを提供するNEC VALWAYは9月12日、大規模言語モデル(LLM)の開発を手掛けるPKSHA Workplaceと協業し、生成AIと専門人材によりヘルプデスク業務を刷新する「NEC コミュニケーションDX支援サービス」を10月1日から販売することを発表した。

なお提供開始時期は10月1日で、参考販売価格は1080万円/年(ユーザー数1000~1499名)となっている。

サービス開発の背景

ハイブリッドワークが進む中、従業員間のコミュニケーションにおいてもDX(デジタルトランスフォーメーション)が進み、チャットボットやFAQシステム、マニュアルツールの導入が各企業で加速している。

一方で、それらの実装やサポートを担うIT人材は慢性的に不足しており、経済産業省の調査によると2030年には需給ギャップが79万人まで拡大するという調査結果が出ている。

このような状況下、導入時のFAQの作成や、複数チャネルからの問合せ管理、利用促進における全社への周知など、そのメンテナンスコストや定着化に課題を感じる企業は少なくない。

新サービスは、生成AIを活用した対話エンジンやFAQ自動生成、有人対応、問合せ管理といった複数機能がシームレスに連携することで、ユーザーサポートをMicrosoft Teams上で自動化するとともに、蓄積されたナレッジを共有することで各種ITツールの使いこなし(カスタマーサクセス)を促進する。

サービスの提供により、問合せに対応するバックオフィス部門、商品および技術情報の問合せに対応する各サポート部門のさまざまな問合せ業務を支援し、生産性を飛躍的に向上させる。

サポートデスクサービスを顧客に提供してきた中で蓄積されたNEC VALWAYのノウハウとデータ、そしてPKSHAが開発した独自の生成AIおよびMicrosoft Teamsを活用したソリューション「PKSHA AI ヘルプデスク」を組み合わせることで、さらなるヘルプデスク業務の刷新につなげられるという。

サービスの特徴

新サービスはすでに多くの企業で導入されている、Microsoft Teams上にヘルプデスク環境を構築。実装からヘルプデスク運用もNEC VALWAYの専門人材が伴走支援するため、ユーザーは新規ツールに慣れるストレスがなく問合せ可能であり、問合せ内容に応じてチャット・通話を同ツール内で選択できるなど、運用性も高く定着に向けた負荷も低くDXを進められるという特徴がある。

またヘルプデスクの問合せ履歴を解析することで、生成AIが定型的な問合せにあたる一問一答を自動生成し、社内ナレッジを構築する。また、自動生成した社内ナレッジを、問合せの一次窓口となるAI対話エンジンとして展開することも可能。利用が増加すれば全社の集合知が蓄積され、質問者と回答者の生産性が向上することに加え、有人対応を担う専門人材が経験に応じてプロアクティブに情報発信をすることでITツールの使いこなしを促進する。

  • 運用のイメージ

    運用のイメージ

さらに、IT人材を新規に採用せずとも、費用を削減した上で求めるジョブをアウトソースすることが可能。一部の社員に属人化することも、途中で退職することもなく、そのためナレッジマネジメントを効果的に推進できるという。情報システム部門はこれまで取り組むことができずにいた企業のIT課題に優先的に取り組むことができるようになる。

NEC VALWAYは、今後も最大の資産であるヒトと先進テクノロジーを融合させたBPOサービスで顧客のDXを支援し、社会問題の解決に努めていきたい構え。