Sansanは9月4日に発表した企業の契約に関する実態調査によると、約6割の人が「契約違反を自身で経験もしくは見聞きしたことがある」と回答したことが分かった。違反の内容は「納期を守れなかった」が最も多く、契約違反による金銭的損失は1件あたり平均511万円だった。

  • ビジネス部門の約6割が、契約違反を自身で経験もしくは見聞きしたことがある 出典:Sansan

    ビジネス部門の約6割が、契約違反を自身で経験もしくは見聞きしたことがある 出典:Sansan

同調査は、2024年7月29日~8月1日までの期間、営業や経営企画などのビジネス部門で契約業務に携わる600人を対象に実施された。違反が発生する要因としては「社内の情報共有が不足していた」「契約内容を理解していなかった」が多く、契約情報の共有不足や確認不足が背景にあることがうかがえる。

  • 契約違反の内容は「納期を守れなかった」が最多 出典:Sansan

    契約違反の内容は「納期を守れなかった」が最多 出典:Sansan

どのような場面で契約を確認するかを聞いたところ、「契約更新時」「プロジェクト開始時」など契約が始まる時や「トラブル発生時」などの緊急事態を除くと、日頃の業務の中でほとんど契約を確認していない実態が明らかになった。

  • 違反の要因は「社内の情報共有が不足していた」が多かった 出典:Sansan

    違反の要因は「社内の情報共有が不足していた」が多かった 出典:Sansan

昨今、下請法の違反や知的財産を巡る争いなど、企業間のトラブルが多数発生している。ビジネスは企業間で締結した契約を基に行われており、トラブルを防ぐために契約情報を確認しながら業務を進める必要がある。

Sansan Contract One Unit ゼネラルマネジャーの尾花政篤氏は「契約の管理は法務担当者が担っており、ビジネス部門の担当者は契約をほとんど見ていないケースも少なくない。契約違反による金銭的損失額も大きいことから、ビジネス部門も含めて契約情報を社内で適切に共有し、現場の担当者が日常的に契約を確認、適正に履行することが、企業の契約違反防止やリスク管理において重要だ」とコメントする。