スウェーデンに拠点を置くエンタープライズソフトウェア企業のIFSは8月29日、意思決定分析ソリューションを手掛けるカナダCopperleaf Technologies(Copperleaf)を10億カナダドル(約1073億円)で買収完了したと発表した。カナダ競争法に基づく裁判所、株主、規制当局の承認を受け、IFSはCopperleafの全発行済み株式を1株あたり12カナダドルで取得した。
IFSは、Copperleafとの連携により、資産管理機能を拡大させる狙いがある。Copperleafが提供するソリューションは、意思決定分析を通じて、組織が資本配分を最適化し、リスクを管理する。より正確でデータ駆動型のビジネス意思決定を支援する。FSは、同社の産業向けAI「IFS.ai」のアーキテクチャを活用し、Copperleafの既存の資産投資計画機能を強化する計画だ。
すでに世界中で2兆9000億ドル以上の資産を管理しているCopperleafは、すべての顧客が最初の計画サイクル内に投資を回収し、顧客維持率100%を達成している。Copperleafのソリューションを導入する鉄道管理企業の英Network Railは、線路や通信インフラストラクチャなどの多様な資産を統合。設備投資の価値を示す成果ベースの意思決定を行うことで、年間10億ポンドの信号予算を最適化しているという。
IFS CEOのマーク・モファット氏は「今回の買収は、IFSがサービスを提供する業界の意思決定の進化における重大な分岐点となる。Copperleafの意思決定分析とIFSの堅牢なエンタープライズソリューションを組み合わせることで、企業はより多くの情報に基づいたリアルタイムの意思決定を行うことができる」とコメントする。