PHCホールディングス傘下のウィーメックスは8月29日、生成AI薬歴入力支援サービスを9月2日より提供開始することを発表した。同サービスは薬剤師と患者の服薬指導時における音声を音声認識AIが解析し、OpenAIのLLM(Large Language Models:大規模言語モデル)「GPT‐3.5」により薬歴のフォーマット(SOAP形式)に合わせてテキストを自動生成することで、薬歴入力を支援する。

生成AI薬歴入力支援サービスの特長

今回提供を開始する生成AI薬歴入力支援サービスは、服薬指導時に音声を録音するだけで数十秒でSOAP形式のテキストを自動生成する。テキスト生成は「即時」または「後から」を選択可能で、混雑時には「後から」を選べばテキストの生成を待つことなくすぐに次の患者の服薬指導の録音を開始できる。

服薬指導ごとにデータを生成し蓄積され、隙間時間などを利用して確認や編集、薬歴システムへの転記(コピー・アンド・ペースト)作業が可能。電子カルテと同等の強固なセキュリティ環境で、3省2ガイドラインに則ってデータを管理するという。

  • サービスの画面イメージ

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サービス開発の経緯

薬剤師は薬歴入力業務に1日当たり約1時間25分を費やしているとされる。同社が実施した調査によると、約70%の薬剤師が服薬指導中の会話内容をメモに残し、手の空いた時間にそのメモをもとに薬歴を入力すると回答している。

薬局の開局時間中は患者対応や疑義照会、薬剤の発注業務などがあり、薬歴の入力は閉局後となる場合も多い。そのため、薬剤師の残業時間の増加が指摘される。こうした課題に対し同社はLLMと音声認識AIを搭載した薬歴入力支援システムの開発に着手した。2024年5月には実店舗におけるトライアル利用で得られた知見をもとに機能改善を行い、今回正式に提供を開始する。