ガートナージャパン（Gartner）は8月20日、デジタルワークプレースの成熟度が高い企業ほど、ビジネス成果を達成しているとの見解を発表した。

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デジタル・ワークプレースのリーダーらは、ビジネス目標の変化にともない投資やイニシアティブの優先順位付けに苦慮しており、関連するテクノロジーや管理ツール、戦略の急増に直面し、さらに経営陣やITリーダーからの期待は、投資額や優先順位に対して過大になる傾向があるという。

ディレクター アナリストの針生恵理氏は、次のように述べている。「企業には、従業員の働き方や働く環境を良くすることで、人が集まる魅力的な組織となることが不可欠です。従業員の生産性やエンゲージメントを高めるには、デジタル従業員エクスペリエンス (DEX) の向上が必要であり、企業におけるデジタル・ワークプレース変革への取り組みの重要性が増していることを意味します」

同社はデジタル・ワークプレースの目標として、ITライフサイクルの変化に対応してビジネスとオペレーションの整合性を改善する「デジタル・ワークプレース・インフラストラクチャの近代化」、従業員の新しい働き方をサポートする「新しい働き方」、変革を促進してビジネス部門とテクノロジーソリューションを共同開発する「ビジネス変革の促進」──の3つを挙げ、企業はこれらの目標に沿って自社のデジタル・ワークプレースへの投資と取り組みに優先順位を付け、成熟度を高めることが重要だとしている。

また、デジタル・ワークプレースの成熟度レベルを、テクノロジ導入やビジネス・プロセスの処理を重視してバックログの回避に注力する「レベル1.受動型（処理的）」、一貫性があり定量化も可能となり、基本的なプロセス改善がサービスに付随する「レベル2.適応型（サービス化）」、テクノロジの管理およびプロセスは当たり前になり、DEXを優先し、従業員支援によって新しい働き方と双方向の従業員エンゲージメントを促進する「レベル3.支援型（オペレーショナル・エクセレンス）」、フュージョン・チームにおいてビジネス・テクノロジストと協力し、変革とイノベーションを推進する「レベル5.変革型」というの5段階で定義している。

デジタル・ワークプレース成熟度では、「デジタル・ワークプレースの戦略的価値」「デジタル・ワークプレースに対する組織のコミットメント」、「組織体系（デジタル・ワークプレース・チームの指揮命令系統）」、「デジタル・ワークプレースにおける機能と役割」、「デジタル・ワークプレース・テクノロジの管理ツール」、「メトリクスと測定」、「デジタル・ワークプレースの成果」という7項目を評価している。

同社のバイス プレジデント アナリスト Dan Wilson氏は、次のように述べている。「現在、多くの企業がレベル1～2の段階にいますが、デジタル・ワークプレース成熟度が高い組織ほど、新たなテクノロジにより進化するツールや戦略を、ビジネスの成功に活かすことができます。企業はアセスメント・ツールを活用して現状のデジタル・ワークプレース成熟度を評価し、自社の投資に対するギャップの特定、優先順位付け、計画の策定を行う必要があります。企業の成長には、未来の働き方に向けて直面する課題解決に取り組み、デジタル・ワークプレース成熟度を高めることが重要です」