ASPINA(シナノケンシ)は8月6日、2024年8月下旬から3U~6UのCubeSat向け超小型リアクションホイール「ARW-3m」の量産を開始することを発表した。

  • ASPINA製「CubeSat向け超小型リアクションホイール」

    ASPINA製「CubeSat向け超小型リアクションホイール」のモックアップ (出所:ASPINA)

同製品は、経済産業省の委託事業「令和2年度補正宇宙開発利用推進研究開発(小型衛星コンステレーション関連要素技術開発(軌道・姿勢制御技術(うちADCS統合ユニット)))」において、アークエッジ・スペースのとりまとめのもと、同社が約3年をかけて開発したものとなる。

主な仕様としては、最大蓄積角運動量は3mNmsで、最大出力トルクは1mNm、質量は72g、外形寸法は30mm×30mm×28mmで、その特長としては、安定したサプライチェーンを背景とした日本での製造による最短3か月の納期に加え、超小型衛星に特化する形で低消費電力、低振動、小型、軽量をが実現している点が挙げられる。また、米国の法規制であるITAR(International Traffic in Arms Regulations(国際武器取引規則))の規制対象外の部品となるため、同製品をはじめとする同社製リアクションホイールは、米国政府の許可を得ずに、米国外へ輸出することも可能だともしている。

同社では宇宙業界の最大市場である米国のほか、今後成長が見込める欧州、日本、アジア市場での拡販を目指すとし、出荷は、サンプル品を使用し購入を決断してくれた顧客から順次行っていくとしている。

なお同社では、今回量産開始を決定した超小型人工衛星(3U~6UのCubeSat)向けのリアクションホイールのほかに、100kg級、200kg級、300kg級の人工衛星向けのリアクションホイールも開発中であり、順次ラインナップを揃えていき、人工衛星のコンステレーションの設計・製造や大学での研究などのさまざまなニーズに応えていきたいとしている。