米SalesforceとWorkdayは米国時間の7月24日、新しいAI従業員サービスエージェントの計画を発表した。これにより、時間のかかるタスクを自動化し、パーソナライズされたサポートを提供するとともに、従業員がより迅速に、よりスマートに働けるよう支援するためのデータドリブンな知見を提供する。

サービスの概要

Salesforceの新しいAgentforce PlatformおよびEinstein AIと、WorkdayプラットフォームおよびWorkday AIを組み合わせることによって、企業はさまざまな従業員向けサービスに対応するエージェントを作成し、管理することができるようになる。

AIエージェントは、ビジネス全体における従業員と顧客の成功を促進するために、人と連携し、能力を向上させる。

企業は、Salesforce CRMのデータとWorkdayの財務および人事データを活用することで、人の言葉を理解した上で自然言語で従業員とコミュニケーションをとることができる、信頼性の高い共有データ基盤を構築する。その結果、社員採用時の手続きや福利厚生の変更、キャリア開発などのタスクが、これまで以上に容易になるという。

複雑な問合わせが発生した場合、AI従業員サービスエージェントは、スムーズな引き継ぎのために過去の履歴とコンテキストを保持しながら、適切な担当者へとシームレスにつなぐことができる。人間とAIがシームレスに連携する独自のアプローチにより、生産性と効率性を高め、より良い従業員エクスペリエンスをもたらすという。

今回の新たな戦略的パートナーシップで、ビジネスで広く利用されている2つのクラウドプラットフォームが連携することとなり、働き方を変革し、生成AIを活用した新しい従業員エクスペリエンスを提供することができる。

具体的なサービス

提供される具体的なサービスとしては、以下の3つがあげられている。

Einstein 1 PlatformとWorkday AIを活用したAI従業員サービスエージェント

Salesforce と Workday は、Einstein のエージェントプラットフォームと Workday AIを統合することで、2つの生成AIソリューションにSalesforceからでもWorkdayからでもアクセスすることができる、1つのシームレスな従業員エクスペリエンスを提供する。

AI従業員サービスエージェントは、大規模言語モデル(LLM)を使用して自然言語でコミュニケーションを行い、強力な共有データ基盤を活用して、従業員の問い合わせに対して適切な対話型で応答する。

エージェントは、従業員を中心に据えながら、従業員に代わって推奨し、実行する。人による対応が必要とされる複雑な問題が発生した場合には、シームレスかつ迅速に、適切な担当者への切り替えと引き継ぎを行う。

Salesforce Data Cloud と Workday 上に構築された共有データ基盤

SalesforceとWorkdayは、Workdayの財務および人事データとSalesforce CRMデータをつなぐ、単一の共有データ基盤となる。

これにより、顧客はデータの複製やカスタム統合を行う必要はなく、SalesforceとWorkday双方のプラットフォームから財務、人事、CRMデータにアクセスして操作することが可能となる。同時に、ユーザーは許可された情報のみを閲覧することができるため、データ共有の安全性も保証される。

Workday と Slack のシームレスな統合

Workdayは、Slackとの既存の連携をさらに強化し、ユーザーがタスクや給与、求人情報、従業員情報、総勘定元帳など、Workdayの財務および人事データにSlackから直接アクセスし、コラボレーションできる対話型インターフェースを提供する。

Slackはこれらの記録に関する対話を保存し、Workday上でいつでも簡単に情報を検索・要約し、実行できるようにする。

従業員にとってのメリット

自然言語による会話を通じて、従業員はSalesforce、Slack、あるいはWorkdayのいずれのプラットフォーム上でも、AI従業員サービスエージェントからサポートを即座に受けられるようになる。

AI従業員サービスエージェントは、リクエストを理解し、Workday-Salesforceの統合データソースから関連するナレッジやインサイトを取得し、プラットフォーム間での解決を自動化することで、状況に応じたサポートを提供する。

事務処理、リソースの提供、トレーニングの調整を行い、新入社員の迅速な立ち上げを支援するほか、有給休暇や福利厚生、社内規定に関する質問にエージェントが回答し、ヘルスケアプランの更新といったセルフサービスの手続きを可能にする。

加えて、Workday上に集約されている従業員の役割やスキル、キャリアの関心に基づいて、パーソナライズされた学習パスを作成するというメリットもあげられている。