NTTは7月29日、グループ初の共同開催となる、スタートアップ協業推進プログラム「NTT Startup Challenge」を開始すると発表した。同プログラムには、NTT東日本、NTT西日本、NTTドコモ・グローバル、NTTコミュニケーションズ、NTTデータ、NTTドコモ・ベンチャーズ、NTTファイナンスが参画する。

「NTT Startup Challenge」で実施すること

「NTT Startup Challenge」は、海外スタートアップエコシステムとの新規事業創造を目的とした協業推進プログラム。

NTTグローバルビジネス部門を中心に、「東南アジア著名VCとのAdvisory Program」「東南アジア主要スタートアップイベントへの参画」「NTT Com Startup Challengeで培ったネットワークを活用したパートナー企業を通じたスタートアップ企業ソーシング」「NTT Startup Challenge Final Dayの開催」を実施する。

これらの施策のうち、目玉となるのが「NTT Startup Challenge Final Day」だ。

  • 「NTT Startup Challenge」の概要

NTT Startup Challenge Final Day」とは

「NTT Startup Challenge Final Day」は、NTTグループとの協業に関心のある東南アジアスタートアップをターゲットしたピッチコンテストとマッチングイベント。スタートアップのセクターや成長フェーズを限定せず、東南アジア全域から広く募集する。

NTT グローバルビジネス部門 担当部長の杵渕保敬氏によると、スタートアップの募集は6月から開始しており、現時点で300社の応募があるという。9月の募集締め切りまで約400~500社の応募を見込んでいる。

最終的に選ばれた10社がFinal Dayでプレゼンテーションを実施 し、入賞社を決定する。入賞企業には報奨金のほか、NTTグループのアセット(CVCからの出資検討、ICTリソース、参加各社によるスタートアップソリューションの内部利用など)が提供される。

杵渕氏は、「NTT Startup Challenge Final Day」にがもたらす付加価値として、「東南アジアのスタートアップとの協業」「NTTグループによる出資の機会」「社会課題の解決」を挙げた。

「社会課題は特に どう課題を解決するかよりも、適切なタイミングで適切な課題を見つけることが重要だと考えている。そのため、スタートアップの発見能力を活用することで、幅広い課題に迅速にアクセスできるのではないかと思っている」(杵渕氏)

なぜ、東南アジアなのか?

杵渕氏は、「NTT Startup Challenge」が東南アジアを対象としている理由について、「東南アジアは人口7億人を擁する巨大な市場であることに加えて、スタートアップのエコシステムが成熟している。ユニコーンの数において、シンガポールやインドネシアは日本を凌ぐほど。さらに、地理や文化の面でも親和性が高い」と説明した。

特に、インドネシアはNTTコミュニケーションズが2017年からスタートアップとのピッチコンテストやマッチングイベントを実施してきたという歴史がある。その際に、認知度を高めることができたほか、ローカルネットワークが築かれており、これも「NTT Startup Challenge」の強みとなっている。

さらに杵渕氏は、「今回はグループ全体でやるので、NTT全体で幅広いアセットを提供できるので、関心を多く集められるのではないか」と語っていた。

  • NTTグループのスタートアップ事業の今後の展開