アイスタイル、ECと店舗の併売率が向上 イベントやアプリの施策が奏功

アイスタイルは、月間ユニークユーザー数1900万人(2023年6月時点)の口コミプラットフォーム「@cosme(アットコスメ)」を運営している。「アットコスメ」と連携した化粧品ECサイト「@cosme SHOPPING(ショッピング)」も展開している。最近では、実店舗の顧客のEC利用も増えているという。同社の2023年6月期連結業績におけるEC売上高は、前期比16.3%増の108億4600万円だった。

 

アイスタイルでは、毎年12月に開催しているセールイベント「@cosme BEAUTY DAY(アットコスメビューティーデー)」が今期も盛況だったそうだ。過去最高の流通総額を達成し、増収に大きく寄与したという。

同社の執行役員兼販売販促事業ユニット長の本橋未来氏は、「当社のECは、”化粧品が大好きな人たちに向けて、喜んでもらえるサービスを提供すること”を重視している。今回のイベントでも、リピーター向けの取り組みをさらに強化した」としている。

同イベントでは、実店舗しか利用したことがなかった顧客に対して、初めてECを利用してもらえるような取り組みにも注力したという。

具体的には、新規クーポンの発行や、アプリでのコミュニケーションの強化などを行ったとしている。ECと実店舗で、同趣旨の企画を実施するといった取り組みも行っているという。

そうした結果、EC・店舗の併売率が高まったことも増収の一因となったとしている。

▲毎年12月に「@cosme BEAUTY DAY」を開催

「ECサイトへの流入は、美容口コミプラットフォーム『アットコスメ』や、オーガニック検索などからが多い。その他では、アプリ経由の利用も多い。アプリをダウンロードした人が、ECを利用するケースが増えている」(本橋氏)としている。

アプリを使ったコミュニケーションは、引き続き強化していくという。

同社のEC事業は、2023年7月-2024年3月期(第3四半期)におけるEC売上高が、前期比約30%増の101億5400万円となるなど、好調に成長を続けている。

「当社では、何よりもユーザーとブランドの出会いを大事にしている。ECにおいても、気軽に新しい商品を試せるように、サンプルやミニサイズを拡充するなど、品ぞろえを強化していく」(同)と言う。

「『美容品』に特化したプラットフォームだからこそ、『美容・コスメが好きな人たちが何を求めているか』という点を追求しながら、サービスや購買体験を提供していきたいと考えている」(同)としている。