GMOインターネットグループは7月5日、グループをあげた生成AIの活用を進めた結果、グループ全体で約13万2,000時間/月の業務時間削減を実現したことを発表した。過去の調査も踏まえ、2024年上半期で約67万時間削減したと推定した。

  • 生成AI業務活用率

    生成AI業務活用率

この結果は、6月10日~6月14日の期間、GMOインターネットグループの国内パートナー(正社員、派遣社員、アルバイト)6,312人を対象に実施した「生成AI活用」実態調査の結果に基づく。

国内パートナーの83.9%が生成AIを利用し(シフト勤務を除く)、前回調査から5.2ポイント増加。生成AIを活用することで、パートナー一人あたりの業務削減時間は月に26.8時間で、前回調査から2.1時間増加。また、生成AIを利用するパートナーの合計では、月に約13万2,000時間の業務時間削減となり、前回調査から約2万時間増加したという。同グループでは、全パートナーが必須でAIセミナーや非エンジニア向けの3か月集中型のAIおよびRPAのリスキリング企画を実施していることから生成AIの利用が広がり、業務削減時間の増加に寄与しているとみられる。

  • 業務削減時間の推移(月間)

    業務削減時間の推移(月間)

AIの業務活用を行うパートナーに対してAIの複数利用について質問したところ、47.2%と約半数が複数のAIを業務で使い分けていると回答。また、業務において最も優れていると思うLLMについては、65.9%のパートナーがGPT-4と回答した一方で、Gemini 1.5 proとClaude 3 Opusも約5%ずつの支持を集め、各AIモデルの特性を理解し、業務に応じたAIを使い分けていることが推測されるという。

  • 業務において最も優れていると思うLLMは?

    業務において最も優れていると思うLLMは?

パートナーの技術注目度については、「動画生成」が50.2%で最も高く、次に「ロボット×AI」が35.6%、「AI搭載スマホ」が33.3%、「音楽生成」が22.6%となった。GMOインターネットグループが2024年6月18日にAI・ロボット事業への参入を発表する前から、多くのパートナーが「ロボット×AI」技術に注目していたという。

  • 注目している技術(複数回答)

    注目している技術(複数回答)

2024年4月〜6月まで最も成果があった業務効率化の事例として、生成AIプロンプトポータル「天秤AI by GMO」で複数のLLMでの判断を比較することで、AIの回答が正しいかを確認する時間が減った(営業)、ChatGPTを開発方法の調査に使うことで、完全な正解を得られなくても部分的にキーワードを引き出せるので調査のしやすさが上がる(エンジニア)、他社サービスの仕様理解(ディレクター)、これまでは他人に依頼していたGASの修正や開発が、AIを活用することで自分だけでできるようになった(ディレクター)、英文の要約では、1回の作業につき15分~30分程度効率化できている(エンジニア)などの声が挙がった。

また、AIを使っていて「まだ自分(人間)がやったほうが良い」と感じたことについて聞くと、法的な調べもの、判断。専門知識(ディレクター)、専門分野におけるアイディア出し(エンジニア)、過去のABテスト結果を踏まえた具体的なデザイン(クリエイター)などの意見が寄せられたという。