and、ソファブランド「LOOSY」始動 SNS巧みに使い分け、初回予約分が3日で完売

andは今年5月30日、ソファブランド「LOOSY(ルージー)」の第1弾商品の予約受け付けを開始した。1カ月間で販売する予定だった初回予約分は、受付開始からわずか3日で完売した。SNSで、スタートダッシュに成功した。

今回、第1弾商品として発売したのは、1人掛けのビーズソファだ。コーデュロイの素材が見た目にも強い印象を与えている。グリーン、ネイビー、アイボリーの3色展開で、足置きやクッションとセットで購入することもできる。

▲第1弾商品のビーズソファ、ネイビー(左)とグリーン(右)

<社内のSNSノウハウを活用>

同社は2019年から、韓国雑貨やインテリアのECサイト「Little Rooms(リトルルームス)」を運営している。SNS総フォロワーは100万人を超える。

今回、「LOOSY」を売り出すにあたって、社内で蓄積しSNSを使い分けるノウハウをフルに活用しているという。

TikTokでは、発売するおよそ1カ月前からブランド立ち上げの過程を発信し始めた。同社のプロダクトディレクターである町あゆみ氏のブランドへの思いを発信したり、実際にサンプルチェックや商品を撮影する様子を紹介したり、ブランドづくりに奮闘する姿を投稿している。

▲TikTokに投稿したブランド立ち上げの様子

当初、フォロワー数は2桁台だったが、2回目に投稿した動画が10万回以上再生された。現在のフォロワー2300人以上となっている。増えたフォロワーの年齢層は20代後半、職業は美容師などが多い。

「商品のターゲットは30歳前後の、ファッションやインテリアに強いこだわりを持つ男女。ブランド立ち上げの裏側を再生されやすいショート動画で発信したことで、狙い通りのファンを獲得できた」(町氏)としている。

<Xでは282万回viewに到達>

Xでは、予約注文開始の1週間前に「かわいすぎるビーズソファ作っちゃいました」というテキストとともに、3色のソファの画像を投稿した。当時、フォロワー数が1000人未満だったが、282万回表示された。

「現在のXのトレンドは多くを語らないこと。一見して『おしゃれ』と伝えられることも重要」(同)としている。

<今後はブランドの世界観を伝える施策を予定>

インスタグラムでは、ブランドの世界観を崩さない投稿を徹底している。TikTokやXで獲得したファンも、最終的にはインスタグラムで作り出す世界観に共感してもらうことを目指している。

オフラインでもブランドの世界観を感じてもらう機会を提供したい考えで、現在、平日限定でショールームを開催している。

今後は、インフルエンサーを活用したギフティングPRなども行う予定。付け替え可能なソファカバーも展開し、自社のSNSノウハウを強みに、商品のファッション性にもこだわり続ける方針だ。