【「クラウド型ECサイト構築サービス」調査】「ebisumart」が構築実績トップ 主要サービスの機能拡充が加速

日本ネット経済新聞はこのほど、需要が拡大しているクラウド型ECサイト構築システム(カスタマイズ対応)の構築実績やサービス内容について調査した。今回の調査においても、ECサイト構築実績では「ebisumart(エビスマート)」がトップになった。単独ソリューションでの構築実績は開示していないが、「W2 Unified EP(ダブルツーユニファイド・エンタープライズ)」や、「GMOクラウドEC」も構築数を伸ばしている。「PRAMS EC(プラムス・イーシー)」や「ECORANGE(イーシーオレンジ)」も得意領域で存在感を高めている。

 

調査対象はカスタマイズ対応に強みがあるクラウドソリューション。クラウド環境でサービスを提供しているが、原則的にカスタマイズに対応しないASP型のソリューションは対象としていない。対象の商品カテゴリーを特化しているソリューションも除外している。

 

手軽にECサイトを構築でき、機能が自動的にアップグレードされるカートASPと、カスタマイズを前提としたパッケージシステムの双方のメリットを兼ね備えたクラウド型ECサイト構築システムの需要は拡大しているようだ。

<「ebisumart」は改善の積み重ねが差に>

インターファクトリーが提供する「ebisumart」は、2010年1月からサービスを提供しており、このカテゴリーの先駆者的存在だ。

 

「クラウドなので1ソース・マルチテナントになるが、これは技術的にもハードルが高く、当社も改善し続けている。そのノウハウ・知見を先行して積み上げている点が差になっている」(取締役 ECビジネス成長支援事業 責任者 三石祐輔氏)と話す。

 

昨年8月には、ハイエンドモデルである「ebisu commerce(エビスコマース)」の提供を開始し、ECサイト構築だけではなく、大手企業が望むデータ統合のニーズにも対応している。

 

さらに今年5月には、BtoBーEC向けの「ebisumart BtoB」の提供も開始した。対象の事業規模や事業モデルの領域を拡大し、構築実績をさらに伸ばしたい考えだ。

<「GMOクラウド」は558%の高成長>

GMOメイクショップが提供する「GMOクラウドEC」も高い成長を遂げている。2023年12月期の「GMOクラウドEC」の売り上げは、前期比558%という高成長を遂げたという。

 

このままの成長スピードだと、来期(2025年12月期)には、「makeshop(メイクショップ)」の売り上げを追い抜きそうな勢いとなっている。

 

「ハウス食品さまやゴディバジャパンさまなど、大手メーカーや全国チェーンへの導入が決まっている。まだオープンにできないが、国内有数のメーカーへの導入も控えている」(エバンジェリスト 高橋和夫氏)と話す。

<OMOやモール構築など課題解決>

W2が提供する「W2 Unified EP」もオムニチャネル・OMOやデータ統合のニーズに応えて、大手企業への導入が進んでいる。

 

AMSが提供する「PRAMS EC」は、システムだけではなくささげやフルフィルメントまで支援できる体制を整え、アパレルやアウトドアブランドのオムニチャネル・OMOの課題解決に貢献している。

 

エスキュービズムが提供する「ECORANGE」は、ふるさと納税サイトやマーケットプレイスの構築にも対応している。