FIXER社長・松岡清一「独自の生成AIサービスを活用して、AIの『プラットフォーム』的存在に

当社独自の生成AI(人工知能)サービス『GaiXer』(ガイザー)はデジタル庁に採用いただいたことで、他の省庁にも使っていただき、今年度の予算でも外務省、自民党にも採用された」

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 2024年4月に自民党は「経済再生の実感を国民に届けていく」として、広報展開を開始。そこで新ポスターを作成したが、キャッチコピーは「経済再生 実感をあなたに。」だった。実はこれはFIXERの「ガイザー」が生成したものだった。代理店のコピーライターが作成したコピーなど、500を超える案から絞り込まれた。

「AIは人の仕事を奪うなどとネガティブに言われることも多いが、人にとってAIによって選択肢が増えたと言えるのではないか」と話す。

 24年5月、AI開発を手掛ける米オープンAIは新モデル「GPT―4o」を発表。感情を込めた発話や、手書き文字の認識など様々な進化を遂げており、松岡氏は「革命的な進化を遂げている。早速、当社の環境に取り込み、お客様に活用していただく」と話す。

 AIには「本当に正しい出力をしているか」、「利用者が正しさを検証できているか」という課題がつきまとうが「ガイザー」は生成結果をAIに検証させ、内容が正しいか、参照時の注意点などを判定すべく開発中。

 ガイザーはグーグル、アマゾン、マイクロソフトなど世界の大手や、NTTなど国内勢が開発した「脳」の部分を取り込んでいる。それによって脳の司令塔である「前頭葉」、プラットフォームの役割を果たしているという、世界でも特異な立ち位置。

「日本では、当社を含め数十社が手掛けている程度で、AIの社会受容には遠い。誰もがAIを使っている状態にするために国を挙げて取り組まないと後れを取ってしまう。いろいろなプレーヤーが出てくるのを期待している」

 最終的に目指す世界として「人間がやらなくていい仕事はAIに任せて、人間は生産性、創造性のある仕事をするようになって欲しい」と力を込める。