家電ECのディーライズ、需要に合わせた2種類のサイトを展開 新サイトでは多数の決済手段を導入

家電のECを展開するディーライズの2024年2月期の売上高は、前期比1%増の180億5400万円だった。同社では、ユーザーのニーズに合わせ、「最安追求」と「利便性追求」という、2種類の自社ECサイトを展開している。2024年2月期は、モールの売り上げが伸び悩んだものの、2種の自社ECサイトの売り上げが好調だったという。

「当社の自社ECへの流入は、大半が価格ドットコムからだ。『最安値』を求めて、当社のサイトにたどり着いている」(システム開発部マネージャー 兼 販売企画部マネージャー 宮川裕之氏)と話す。

同社のメインの自社ECサイトの決済方法は、銀行振り込みと代引きのみとなっている。そのため、最安値での販売が可能なのだという。

2020年には、新サイト「ディーライズイーエックス」を立ち上げた。新サイトでは、クレジットカード、アマゾンペイ、楽天ペイ、ペイペイなど、多数の決済手段を導入している。

「本店に比べると、販売価格は高くなる。だが、決済方法によっては、ポイント還元のイベントなどもある。それらを加味すると、新サイトの方が最安になるケースも少なくない。イベントに合わせ需要が増えることも多い」(同)と話す。

「決済方法別では、アマゾンペイの利用者が多い。理由としては、価格ドットコムのユーザー層がアマゾンのユーザー層と近いことがある。アマゾン自体の利用者が多く、住所などの入力の手間がはぶける点も好評の要因なのだろう」(同)とみている。

「最安」で販売するサイトと、「利便性」を高めたサイト、2つの自社ECサイトは、どちらも前期比で増収しているという。