行政指導が日韓関係に波紋? 首脳会談でLINE問題が議題に

無料対話アプリ「LINE」をめぐる利用者の個人情報流出問題を受け、総務省がLINEヤフーに行った行政指導により、日韓関係の間に波紋が広がっている。総務省がLINEヤフーに対し、出資する韓国IT大手ネイバーとの資本関係見直しを求めたことで韓国内の反発が拡大。野党が「日本がLINEを奪おうとしている」などと反日感情を煽り、革新系野党「祖国革新党」のチョ国代表が島根県の竹島に上陸。日韓首脳会談でも議題に上がる事態となった。

 行政指導が出された直後、韓国政府高官は「韓国企業への差別的措置や意思に反する不当な処遇には断固として対応する」と表明。これに対し、松本剛明総務相は、ネイバーとの資本関係見直しに関し「経営権を奪うといった観点から求めたものではない」と釈明し、「通信の秘密、情報漏えいに対する行政指導だ」と、あくまで再発防止に向けた指導の一環との説明を繰り返した。

 ソウルで行われた岸田文雄首相と韓国の尹錫悦大統領の首脳会談の目的は、日韓国交正常化から60周年となる2025年に向け、両国の関係改善の流れを加速させていくことが主眼だった。しかし、LINEヤフーとネイバーの関係見直しに関しては、尹大統領から「両国の懸案にならないよう管理する必要がある」との発言があり、首相は「緊密に意思疎通する」と応じたという。

 LINEヤフーに対しては、中間持ち株会社を通じてソフトバンクとネイバーが折半出資。ネイバーは「株式の持ち分売却を含め、あらゆる可能性をソフトバンクと協議する」と発表しており、現在両社の間で協議が行われている。

しかし、ソフトバンクは交渉の状況について「非常に難易度は高い」(宮川潤一社長)と説明しており、両社の協議が期限の7月1日までにまとまるかは極めて不透明な情勢だ。

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