タマノイ酢、ロングセラーの秘訣はファン育成 SNSや自社メディアで認知拡大からリピート購入へ

お酢の製造販売を行うタマノイ酢は、ECサイトでファンの育成を順調に進めている。SNSやオウンドメディアの情報発信でユーザーとの接点を作って認知を広め、ECの定期購入やリピーターにつながっているという。

タマノイ酢は、1907年創業の老舗。「はちみつ黒酢ダイエット」シリーズ、すし酢の「すしのこ」、中華調味料の「パーポー」など、ロングセラーの主力商品が多数ある。

自社ECサイトで注力するのは、ファンの育成だ。「LINEなどのSNSや、オウンドメディアを上手に運用して、リピートや定期購入につなげている」(播野貴也社長)と言う。

SNSでは、ECでの購買行動を分析して、ユーザーに伝わりやすいタイミングと内容で発信を行う。独自のCRM施策を展開している形だ。

さらに、オウンドメディア「ヘル酢タス」では健康や美容の情報を紹介し、「顧客がほしいと思う情報を記事にして発信している」(同)。健康や美容に意識を持つユーザーが検索して、SEOで上位に表示されるメディアになり、同社の認知度アップやECへの動線になっているという。

▲「はちみつ黒酢ダイエット」シリーズ

ラインアップの充実化も、ECでリピートするユーザーの獲得につながっている。「はちみつ黒酢シリーズの別フレーバーなどは、実店舗ではあまり見かけない商品で、ユーザーからの問い合わせが多かった。コンビニやスーパーでは棚の制限で置けない商品でも、ECで知ってもらえる」(同)と話す。

これらの取り組みにより、自社ECサイトで購入するファンが育ち、リピーターの獲得が進んだとしている。

今後は、自社ECによる独自の取り組みを強化していく考え。「価格で勝負すれば、大手モールが強いのは間違いない。だからこそ、ここでしか買えないような商品を展開していくなど、ファンが喜ぶようなものを展開していく」(同)と話した。