米デル・テクノロジーズ(以下、デル)は5月20日(現地時間)、「Dell AI Factory with NVIDIA」を拡張し、AIの導入とイノベーションの加速を支援するため、サーバ、エッジ、ワークステーション、ソリューション、サービスの機能強化を図ることを発表した。
単なる「データ」を「インサイト」と「成果」に変革
Dell AI Factory with NVIDIAは、同社のAIポートフォリオに加えて「NVIDIA AI Enterprise」ソフトウェア プラットフォームを統合し、これをNVIDIA Tensor コア GPU、NVIDIA Spectrum-X Ethernetネットワーク ファブリック、NVIDIA Bluefield DPUが支える。
ユーザーは要望に合わせてカスタマイズした統合機能や事前検証済みのフルスタック ソリューションを購入し、検索拡張生成(RAG)やモデル トレーニング、推論といった高速パフォーマンスが求められるAIのユースケースの検証に進める。
大規模なAIの展開環境を管理
「Dell PowerEdge XE9680L」は4Uの小型フォームファクターで、NVIDIA Blackwell アーキテクチャGPUを8基サポート。業界標準ラックでのNVIDIA Blackwell GPU搭載において最高レベルのラックスケール密度を提供し、ラックあたりのGPU密度を33%向上している。PCIe Gen5スロットを20%増やし、外部(North / South)とのネットワーク拡張容量を2倍に増加。
「Dell NativeEdge」とNVIDIAでエッジ環境へのAIアプリケーション展開を加速
「Dell NativeEdge」は、NVIDIA AI Enterpriseソフトウェアのデリバリーを自動化する。開発者とIT担当者はエッジでAIアプリケーションとソリューションを容易に展開できるようになるという。
製造から小売まで幅広い企業が、映像解析のNVIDIA Metropolis、音声・翻訳機能を提供するNVIDIA Riva、またNVIDIA NIM 推論マイクロサービスを含む新たな「Dell NativeEdge deployment blueprint」によって、エッジ データを迅速かつ正確に分析可能になるとのことだ。
AIアプリケーションの開発と展開を簡素化
「Dell Generative AI Solution for Digital Assistants」は、デルとNVIDIAのフルスタック ソリューションで、エンドユーザーにパーソナライズされたセルフサービス体験を提供するデジタル アシスタントの展開を支援する。「Implementation Services for Digital Assistants」は、ソリューションの設計、計画、実装、テスト、拡張を支援。
また、「Dell AI Factory with NVIDIA solutions」では、デルとNVIDIAの共同エンジニアリングに基づくフルスタックの展開自動化によって、多様なユースケースに応じて短時間でAI環境を立ち上げられるという。フルスタックの自動化により、自身で行う場合と比較して、AI環境が価値を発揮するまでの時間を最大86%短縮可能とのことだ。
「Dell Accelerator Services for RAG on Precision AI Workstations」は、安全な環境でAIおよびMLプロジェクトを実験、テスト、プロトタイプ化するための開発プラットフォームであるNVIDIA AI Workbenchを備えた「Dell Precision」ワークステーションを基盤としている。RAGを使用してカスタマイズしたLLM(Large Language Models:大規模言語モデル)によって、AI開発サイクルを短縮するとともに、優れたパフォーマンスのAIアプリケーションをより短時間で確立できるようになるという。