NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は5月10日、常務執行役員の小島克重氏が新社長に就任する人事を発表し、説明会を開いた。現社長の丸岡亨氏は相談役として就任予定。本稿では、現社長を務める丸岡氏と新社長の小島氏が説明会の中で語ったメッセージをそれぞれ紹介する。

  • NTT Com社長交代

現社長丸岡氏「ドコモグループのシナジーの成果が出始めている」

私が社長に就任してからの4年間、多くのお客様やパートナー、社員にお世話になった。まずはお礼を述べたい。

  • NTT Com 現社長執行役員 丸岡亨氏

    NTT Com 現社長執行役員 丸岡亨氏

この4年間を振り返ると、新型コロナ禍の真っただ中で社長を拝命し、コロナウイルスの影響への対応、新しいドコモグループの成長、3社のシナジーを生み出すことに日々取り組んできた。

在職した4年のうち3年間はコロナ禍の影響を強く受け、法人のお客様の事業展開にICTの観点からどのように貢献できるか共創してきた。当時のNTT Comにはモバイルに関するケイパビリティがほとんど無かったので、2022年1月にNTTドコモとNTTコムウェアと一緒になれたことは、お客様に提供する価値の拡大、そして社員が活躍するフィールドの拡大において、大変重要な施策だった。タイミングとしても非常に良かったと思う。

ドコモビジネスの発展はまだ道半ばではあるが、シナジーの手ごたえは感じている。今年度の収益予想は1兆9800憶円で、2025年度までの目標としていた2兆円まで1年前倒しで手が届くところまできた。着実にシナジーの成果が出てきている。

今回、社長のバトンを小島氏に渡すことになるが、彼は法人営業の経験が長い。お客様と日々対話をする中で、お客様が持つ経営課題とその背景にある社会課題を熟知している。それを解決するために、ソリューションに工夫を凝らした知見と経験を持つ。お客様からの厚い信頼もある。

小島氏は性格的にも明るく、ポジティブな思考を持っているので、彼のリーダーシップの下でドコモビジネスはますます発展できると確信している。

新社長小島氏「驚きと感動を提供するような経営を」

大きな成果を上げた丸岡社長の後任として、身の引き締まる思い。これからNTT Comとドコモグループの成長に少しでも貢献できるよう全力を尽くしたい。

  • NTT Com 代表取締役社長予定 小島克重氏

    NTT Com 代表取締役社長予定 小島克重氏

私は1989年にNTTに入社し、スタッフ業務なども経験しながら、大半の時間は法人事業に関わってきた。金融、製造、流通、サービス、メディア、建設業などのお客様と付き合ってきた。

ここ数年間は、丸岡社長と共に大企業や全国の中小企業の経営課題を解決するためのDX(デジタルトランスフォーメーション)の提案や、さまざまなパートナーとの協業を通じて社会課題や業界課題の解決に取り組んできた。

NTTドコモとNTTコムウェアとの事業統合により、コネクティッドカーやスマートメーターなど業界別IoTや、2024年問題に対応した建設現場のスマート化、流通業界向けのドコモ会員基盤の活用など、ドコモビジネスらしいソリューションを推進できた。

6月からは社長になるわけだが、2025年までに2兆円という目標が手の届くところまで来ている。2兆円にとどまることなく、さらなる成長を目指して新たなビジョンやプランを策定し、NTTグループ全体の持続的な成長に貢献したい。

パートナーや社員の声に耳を傾け、すべてのお客様に驚きと感動を提供するような経営をしたい。ドコモビジネスというブランドを、「驚きと感動のCX(顧客体験)」の代名詞にできれば。