東京商工リサーチが4月8日に発表した調査結果によると、2023年度(2023年4~2024年3月)における「人手不足」関連倒産(負債額1000万円以上)は191件と前年度の2.4倍に急増した。2年連続で前年度を上回り、同社が調査を開始した2013年度以降で最多を更新した。

また2023年度は、「求人難」が前年度比169%増78件、「人件費高騰」が282%増の65件と、いずれも過去最多となった。なかでも、人件費高騰は前年度の3.8倍と急増し、初めて50件を超えた。収益力が乏しい中小企業では人材確保のための人件費アップが、資金繰りに負担になっていることを示していると同社はみる。

  • 「人手不足」関連倒産推移(2023年4月~2024年3月) 出典:東京商工リサーチ

    「人手不足」関連倒産推移(2023年4月~2024年3月) 出典:東京商工リサーチ

形態別は、最多が「破産」の172件(前年度比123%増)で、2年連続で前年度を上回った。また、「特別清算」が4件(前年度ゼロ)で、3年ぶりに発生。消滅型が176件(前年度比129%増、構成比92%)で、2018年度より6年連続で90%台での推移が続いた。

一方、再建型の民事再生法は11件で、会社更生法は発生がなかった。業績低迷の企業は従業員の退職も進み、経営再建が難しく破産を選択している状況だ。

  • 「人手不足」関連倒産 形態別 出典:東京商工リサーチ

    「人手不足」関連倒産 形態別 出典:東京商工リサーチ

産業別は、最多が飲食業(19件)を含むサービス業他の60件(前年度比107%増)。増加率でみると、今年4月から残業時間の上限が規制される「2024年問題」に直面している運輸業が前年度比269%増(13→48件)、建設業が同179%増(14→39件)と際立った。

業種別では、一般貨物自動車運送業が32件(前年度9件)と突出。このほか、一般乗用旅客自動車運送業が9件(同ゼロ)、土木工事業(同5件)と訪問介護事業(同2件)が各6件、とび工事業(同ゼロ)と受託開発ソフトウェア業(同2件)が各5件、建築リフォーム工事業と内装工事業、酒場、ビヤホール、配達飲食サービス業、労働者派遣業が各4件、建築工事業と木造建築工事業、一般管工事業、貨物軽自動車運送業、食堂、レストラン、ラーメン店、喫茶店、普通洗濯業、エステティック業が各3件で増加した。

  • 「人手不足」関連倒産 業種別 出典:東京商工リサーチ

    「人手不足」関連倒産 業種別 出典:東京商工リサーチ

資本金別は、1000万円未満が124件(構成比65%)、負債額別では1億円未満が104件(同54%)で、小・零細規模が半数以上を占めた。形態別では破産が172件(前年度比123%増、構成比90%)と9割を占め、人手不足が経営再建の足かせになっていると同社は指摘している。