3月29日から8月12日まで、東京ミッドタウン内のデザイン施設「21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2」では、デザインエンジニアで東京大学 生産技術研究所 教授の山中俊治氏がディレクターを務める企画展「未来のかけら:科学とデザインの実験室」が開催される。
科学者とデザイナーのコラボで生まれたプロトタイプを展示
今回の企画展では、山中氏が大学での研究でさまざまな人と協働しながら生み出してきたプロトタイプやロボット、またその原点ともいえるスケッチが並ぶとともに、専門領域が異なる科学者・技術者とデザイナー・クリエイターとのコラボレーションによって生まれた多彩な作品が展示されている。
ギャラリー内には、立体的で触れられる骨の模型や、神経細胞の電気信号を活用したテクノロジー、昆虫の動きを活用したバイオエンジニアリング、昨今話題を呼んだ“自在化身体研究”とのコラボレーションなど、幅広く多様な作品が立ち並ぶ。
役に立つかではなく、好奇心に従ってものづくりしてみる
企画展の開幕に際して行われた記者発表会で、山中氏は、東京大学の教授に着任した時期を振り返り「さまざまな最先端のテクノロジーが、“かたち”を欲しがっていると感じた」と話す。そして、そのころからの出会いやアイデアを基にしてプロトタイプの製作を続けたことで、今回の展示内容が生まれてきたという。
また山中氏は展示のコンセプトについて「“何の役に立つか”をすぐに考えるのをやめて、知的好奇心と美的感覚のままにモノを作ってみることが、未来の人々へのヒントになるのではないか」と表現した。
なお、4月12日の17時からはギャラリー内のB1Fロビーにて、山中氏をはじめ展覧会に携わった4名によるオープニングトーク「未来のかけら」が開催される(予約は4月1日の12時より受付開始予定)。会期中にはこの他にも、トークショーやロボットが動くワークショップなど関連イベントを多数予定しているとのことだ。
際限なく広がった想像力が、科学とデザインの融合によって具現化した展覧会。ここで触れたかけらが、いつの間にか未来に欠かせない1ピースになっているかもしれない。かたちを手に入れかけているアイデアたちを、一度体感してみてはいかがだろうか。