Microsoftは3月7日(現地時間)、「New Outlook for Windows: A Guide to Product Availability」において、新しいOutlook for Windowsに移行するための段階的なアプローチについて説明した。Microsoftでは電子メールクライアント「Outlook for Windows」の大幅なアップデートに取り組んでおり、現在は商用アカウント向けにプレビュー版が公開されている。今後正式リリースを迎えるにあたって、現行バージョンからどのように移行していくかがユーザーにとっての懸念事項となるため、その道筋を示した形だ。

新しいOutlook for Windowsとは

新しいOutlook for Windowsは、Microsoftが開発中のWindows向けの新しいメールクライアントである。現行のOutlook for Windowsに対し、大幅な機能改善やUIの刷新が行われており、将来的にはWindows標準のメールクライアントになる。主な新機能としては以下を挙げることができる。

  • カレンダー、ToDo、連絡帳などが統合されて一元管理できる
  • テーマやフォント、受信トレイの表示方法などを柔軟にカスタマイズできる
  • 文章の作成中にAIアシスタントからの提案を受けられる
  • メール送信の事前スケジュール設定や、送信の10秒以内の取り消し、重要なメールのリマインダーなどが可能
  • 他のOffice製品と簡単にファイル共有できる
  • 職場用アカウントでスケジュールを共有できる

新しいOutlook for Windowsは現在はプレビュー版が公開されており、現行のOutlook for Windowsの画面で「新しい Outlook」トグルをオンにすることで切り替えられる。詳細は次の公式サイトを参照のこと。

3つのステージによる段階的な移行

Microsoftでは、新しいOutlook for Windowsへのスムーズな移行を促すために、次の3つのステージによる段階的な移行アプローチを提供するという。

  • ステージ1: オプトイン(Opt In)
  • ステージ2: オプトアウト(Opt Out)
  • ステージ3: カットオーバー(Cutover)
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    新しいOutlook for Windowsへの移行アプローチ 出典:Microsoft Outlook Blog

オプトインは、デフォルトでは無効であり、希望するユーザーだけが有効にして利用できる段階。現在は希望するユーザーだけが「新しい Outlook」トグルをオンにしてプレビュー版を利用できる状態なので、このオプトインの段階にあたる。トグルをオフにすれば、すぐに現行バージョンに戻すことができる。

オプトインには、一般提供(GA)のマイルストーンが含まれる。プレビューから一般提供に移行した段階で、関連するライセンスを持つユーザーは正式なテクニカルサポートを受けられるようになる。

十分な期間の機能開発と品質評価が行われたら、オプトアウトの段階に移行する。この段階で新しいOutlook for Windowsがデフォルトで有効化され、現行バージョンに変わって標準のメールクライアントとなる。この段階になる場合、少なくとも12カ月前にユーザーに告知されるという。

カットオーバーの段階になると、元のバージョンのOutlook for Windowsに戻す機能が無効化される。この段階になる前にも、少なくとも12カ月前にユーザーに告知されるという。

新しいOutlook for Windowsは本稿執筆時点ではまだプレビュー版だが、すでに実用に足る十分な品質を備えているため、新機能を使ってみたいユーザーは早い段階で移行を検討してもいいだろう。