パナソニック ホールディングス(HD)は3月11日、グループ全体の新卒採用において、生成AI(人工知能)を活用した採用に関する情報提供を試験的に導入することを発表した。生成AIを学生と共にキャリアを考える存在「AI Career Supporter」と位置付け、学生の専攻・志向・行動特性に適した仕事内容を提案し、学生の初期キャリア選択の支援につなげる。人とテクノロジーを組み合わせたハイブリッドな採用活動を展開していく。
パナソニックグループは同日、2025年度の新卒採用計画、および2024年度入社のキャリア採用計画を発表。2025年度の新卒採用については合計で約1500人、2024年度入社のキャリア採用については約2000人を採用する計画。
初期配属におけるマッチングをより高めるため、生成AIを用いた採用に関する情報提供を新たに試験導入し、学生の初期キャリアの選択をより支援する採用活動を展開していく。 また、2023年度の新卒採用から導入した、事業会社ごとに選考を行い、各事業会社におけるすべての職種について内定時に初期配属を確約する採用体系も継続する考え。初期キャリアを明確にすることで、自律したキャリア形成を促す。
入社後におけるキャリア形成支援も強化する。特に公募によるグループ内事業会社間の人材交流を推進する。同社によると、2022年度はグループ横断の公募異動(転籍)や社内複業(他部門の業務を兼務)に合わせて約2000名の社員が手を挙げ約500名が実践した。公募によるグループ内の人材交流が拡大しており、事業会社間の異動のうち52%が公募による異動だったという。
また、入社者に占めるキャリア入社者の割合も2020年度15.1%、2021年度36.7%、2022年度55.5%と年々上昇しており、2022年度は過半数を超えた。引き続き、入社後に多様なバッググラウンドを持つ社員がやりがいを持って働けるための支援を強化していく方針だ。