半導体市場動向調査会社である加TechInsightsのMcClean Report事業部門(旧IC Insigts)によると、2024年の半導体市場規模(販売額)は、前年比13%増の6497億ドル(2023年は同10%減の5746億ドル)となると予想されるという。メモリ価格の高騰がこの成長率を下支えすることが見込まれている。

半導体をセグメントで分けてみると、ICの販売額は、同14%増の5259億ドル、非ICの販売額は同9%増の1238億ドルと予想している。非ICとは、世界半導体市場統計(WSTS)の分類に従ったオプトエレクトロニクスデバイス、センサ・アクチュエータ、ディスクリート半導体(O-S-D)を指す。ちなみにTechInsightsの今回の予測は、WSTSが2023年12月に公開した予測とほぼ一致する値である。

  • 世界半導体市場の年間売上高および前年比成長率の推移

    世界半導体市場の年間売上高および前年比成長率の推移(予測含む) (出所:TechInsights)

また、TechInsightsは2033年までの今後10年間の半導体市場の見通しも示している。それによると、2桁成長は2024年から2026年まで3年間続くことが予想されている。過去、半導体業界が3年連続で2桁成長を達成したのは1993年~1995年の一度だけで、当時はインターネット黎明期の成長とWindonws 95を中心とするPCブームによって推進された。一方、今回の成長は、AIや電気自動車といった新規アプリケーション市場の拡大、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に伴う巣籠需要で購入された家庭向け電化製品の買い替えサイクルの到来、そしてMicrosoftの次世代OS(2025年10月にWindows 10のサポートが終了)への期待が組み合わされて達成される見込みである。

なお、長期予測を見ても、右肩上がりの傾向はあるものの、依然として半導体産業は周期的であり、デバイスのライフサイクルとマクロ経済によって左右されることがうかがえる。それでも2033年までに、半導体市場の規模は現在の2倍近くに拡大し、1兆ドルを超えることが予想されており、引き続きシリコンサイクルは生じるものの、将来的にも継続して成長し続ける有望産業と考えられる。