大日本印刷(DNP)は、独自の印刷(Printing)と情報(Information)の強みを掛け合わせた「P&Iイノベーション」による価値創造を目指すDX(デジタルトランスフォーメーション)」に取り組んでいる。その1つがデータドリブン経営だ。これに向けて、同社は社内外に散在するデータを収集、蓄積、加工、提供する「DNPデータ統合基盤」を3年前に整備した。
DNPのデータ活用における課題
データ統合基盤を整備する以前は、システムごとに分散した情報しかユーザーは取得できず、レポートを作成するために担当者はExcelシートに追記し、その報告を別の部署に回覧する「Excelバケツリレー」が日常化していたという。
「各工場・支社が送られてくるコピーにコピーを重ねたExcelを利用しているためデータ統合に手間がかかり、作業も属人化していました。事業進捗がリアルタイムに反映できない点や、データを手動で集めてくる作業のやり方は課題になっていました」と、大日本印刷 情報イノベーション事業部 DXセンター DXデザイン本部 DX開発第2部 第2グループ 中西健太郎氏は、これまでのデータ活用における課題を説明した。
また、情シスを通してデータを持ってこなければならないなど、各種システムに保存されているデータを簡単に分析して業務に活かせない課題もあった。