Project Jupyterは現地時間2月27日、Python、R、Julia、Scalaを含む40以上のプログラミング言語をサポートする開発環境「JupyterLab」の最新版「4.1」と基本機能をまとめるクラシックスタイルの「Jupyter Notebook」最新版「7.1」をリリースした。

新コードベース移行後初のマイナーリリースで機能拡充

「JupyterLab 4.1」Desktopでのバージョン確認画面

「JupyterLab 4.1」Desktopでのバージョン確認画面

新バージョンはNotebookがJupyterLabコンポーネントを再利用する新コードベースへ移行したV7以降の最初のマイナーリリースにあたり、Notebookでは多くの新機能と修正・改善等を「JupyterLab」より継承している。「JupyterLab 4.1」では6つの新機能や39の機能拡張、114のバグ修正が行われており、「Notebook 7.1」では、それらの機能の一部が新機能としてサポートされる。詳細はJupyterLab変更ログ、及びNotebookの変更ログで確認できる。併せて「JupyterLab Desktop」もバージョン「4.1」にアップグレードされている。

「JupyterLab 4.1」の新機能としては以下の内容でカスタムCSS機能、インライン補完機能、ノートブック実行履歴機能などが「Notebook 7.1」と共通する機能となる。

・ユーザーインターフェイスをカスタマイズするカスタムCSS機能(#14743)。(「Notebook 7.1」対応)

インライン補完機能(公式Webサイトより)

インライン補完機能(公式Webサイトより)

・インライン補完機能。生成AIモデルが複数行の補完提案(#15160)(「Notebook 7.1」対応)

・ノートブック実行履歴機能の強化(#15062)。以前のセル、セッションのコードの反復処理が可能に。(「Notebook 7.1」対応)

・エラートレースバックからファイルを開く機能(#13390)。トレースバックで検出されたコードファイルへのパスをリンクに変換する。

新しいプラグインマネージャー(公式Webサイトより)

新しいプラグインマネージャー(公式Webサイトより)

・プラグインマネージャーの新UIと拡張機能ロックの追加(#14536)

・特定のセルにジャンプできる仮想スクロールバーコンポーネントをウィンドウリストに追加(#15533)



上記以外にも共通する図表作成ツール「Mermaid」など新機能や改善点は多岐にわたる。

・図表作成ツール「Mermaid(mermaidjs)」をサポート。ツールでMarkdown(マークアップ言語)図を作成可能に(#14102)

  • 図表作成ツール「Mermaid」での作図(公式Webサイト)

    図表作成ツール「Mermaid」での作図(公式Webサイト)

・キーボードナビゲーションの改善。ノートブックでのセルのフォーカス保持、フォーカスをアクティブなノートブックを超えての移動、ツールバーでの矢印キーを使用した移動

・実行中にセルが失敗した場合、対応する見出しにエラー インジケーターを表示する機能(#14784)

・検索ボックスを自動拡大し長いテキストに対応、「Alt + L」で選択範囲内の検索切り替えなど、検索機能の強化

「JupyterLab 4.1」と「Notebook 7.1」詳細な変更は上記記載の変更ログ以外でもGitHubサイトのリリースノート「JupyterLab 4.1」「Notebook 7.1」で詳細を確認できる。