仕事上で不安を抱えていると、仕事のパフォーマンスに差し支える。とはいえ、どのような仕事であっても予期せぬことは起こりうる。不安のない状態は難しく、折り合いをつけながら仕事をするしかないといえる。

「これまでも乗り越えてきた」というマインド

ADHDであることをオープンにし「Let's Pretend This Never Happened」など、いくつかの著書を持つJenny Lawson氏が「Anxiety at work can be ‘a gnawing feeling of doom' - how to manage it and get ahead, from NYT bestselling author Jenny Lawson」で、自分なりの乗り越え方を明かしている。

「やらなければならないことをやり遂げられないのではないかという不安によく駆られる」とLawson氏、胸がドキドキしたりお腹が痛くなることがあり、仕事をしていれば、Lawson氏と似たような経験が1度はあるのではないか。

不安を感じたらどうすれば良いのか。人それぞれ対処法は異なるだろう。具体的な対策(同僚や上司に確認するなど)を取ることができればそうすべきだ。Lawson氏は不安をどうコントロールするのかについて「これまでも乗り越えてきたのだから、今回も乗り越えられると自分に言い聞かせる」と話す。

不安が強くなったら、深呼吸をしたり散歩をしたり、場合によっては仕事を休むこともあるという。特に「これまでも乗り越えてきた」という部分は、多くの人が納得するのではないか。

現場と管理職にはギャップがある

Lawson氏は「不安になったために仕事ができないのであれば本末転倒。不安や心配により時間を失うことはもったいない」と話している。確かに、具体的な対策がない不安についてどんなに考えても、時間の無駄だ。不安をシャットダウンして仕事をするなどの“割り切り”の能力も必要だろう。

なお、不安が強いなどメンタル上で辛さを抱えている場合は、上司に事前に相談しておくのが理想的だ。

しかし、なかなか言い出せないという人も多いだろう。米国の調査ではあるが、「自分のメンタルヘルスの状態を明らかにしても、業務上の自分の役割に影響がない」と回答した人は51%。つまり、残る49%は自分のメンタルヘルスについて上司に話すと、自分の立場に影響するのではと恐れを抱いている状態と言える。

メンタルヘルスを回復する最初の一歩が「休暇」だろう。同じ米国の調査では「有給休暇(有給)の取得が奨励されていると従業員は感じている」と回答した上司の比率(70%以上)、「有給の取得を奨励されている」と回答した部下の比率(53%)にギャップがあることもわかった。

「雇用主は従業員のニーズに積極的に耳を傾けてくれる」という従業員は51%、「従業員のニーズに積極的に耳を傾けている」という幹部は85%と、ここでもギャップがあった。

幹部は、部下への働きかけは想像しているほど伝わっていないと考えて、エキストラの取り組みを講じる必要があるのかもしれない。