富士フイルムビジネスイノベーション(富士フイルムBI)とサーバーワークスは2月1日、合弁会社として「富士フイルムクラウド」を設立することに合意したと明らかにした。富士フイルムクラウドは、2024年4月から日本で営業を開始し、中堅・中小企業を中心にMicrosoft AzureおよびAmazon Web Services(AWS)などのクラウドサービスの導入支援・運用保守を行う。

  • 合弁会社として「富士フイルムクラウド」を設立する

    合弁会社として「富士フイルムクラウド」を設立する

中小企業のクラウド導入を支援するために合弁会社を設立

新会社の資本金は1億円で、出資比率は富士フイルムBIが66%、サーバーワークスが34%となり、3月1日に設立を予定している。

今回、設立する合弁会社は、富士フイルムBIの全国販売網およびITインフラ管理の実績と、サーバーワークスが有する、IaaS(Infrastructure as a Service)の提供をはじめとするクラウドビジネスへの知見と高い技術力を組み合わせ、クラウドサービスの導入支援から運用保守までワンストップで提供する。

  • 新会社の概要

    新会社の概要

企業競争力の強化のためにDX(デジタルトランスフォーメーション)に向けた取り組みが活性化している中で、BCP(事業継続計画)対策や投資コストの最適化といったメリットから、オンプレミスからクラウドサービスへの移行ニーズが高まっている。しかし、中堅・中小企業では、IT人材の不足などが原因でクラウドサービスの導入が進んでいないと指摘。

富士フイルムビジネスBIは、中堅・中小企業をはじめオンプレミスを含むITインフラ・機器の管理支援やクラウド上の業務アプリケーションの提供していることに加え、Microsoft 365やMicrosoft Dynamics 365などの販売・導入支援を行っている。

富士フイルムビジネスイノベーション 取締役 専務執行役員の阪本雅司氏は「中堅・中小企業では、クラウドに移行したいものの、どのように進めていくのかということに不安を抱えている。当社とサーバーワークスさん、そして新会社の三位一体で顧客を支援していく。クラウドを活用したエンドツーエンドでお客さまの業務変革を行い、CHX(Customer Happy Experience)を実現する」と話す。

  • 富士フイルムビジネスイノベーション 取締役 専務執行役員の阪本雅司氏

    富士フイルムビジネスイノベーション 取締役 専務執行役員の阪本雅司氏

ITの世界でイノベーションを起こす

一方、サーバーワークスはクラウドビジネスに関する経験を有し、多くのAWS認定資格保持者を擁する企業だ。2014年以降、AWSの最上位パートナー「AWS プレミアティアサービスパートナー」でもある。

昨年にはAWSと戦略的協業について合意しており、4つの戦略のうちの1つに「中小企業(SMB)におけるAWS活用とDX推進」を掲げている。

サーバーワークス 代表取締役社長の大石良氏は「富士フイルムBIさんは中堅・中小企業の幅広い販売網を持っており、当社としてはITの世界でイノベーションを起こしたいと考えている」と意気込みを語った。

  • サーバーワークス 代表取締役社長の大石良氏

    サーバーワークス 代表取締役社長の大石良氏

富士フイルムクラウドの代表取締役社長に就任した菅谷秀一氏は「これまで当社はあらゆるビジネスソリューションで支援してきた中で、中小企業は課題を抱えている。当社は全国の販売網を持ち、オンプレミスを含めたIT管理アウトソーシングの実績がある。また、Microsoft製品も提供。AWSの知見、テクノロジーと販売網を駆使して幅広く提供していきたい。国内トップクラスのIaaSを中堅・中小企業を含む全国に提供するほか、業務変革に向けて業務アプリやIT管理サービスとの連携を富士フイルムクラウドで支援する」と述べていた。

  • 富士フイルムクラウドの代表取締役社長に就任した菅谷秀一氏

    富士フイルムクラウドの代表取締役社長に就任した菅谷秀一氏