デロイトトーマツグループは1月30日、「Digital Consumer Trends 2023」(日本版)を発表した。これによると、生成AIが生み出したコンテンツへの否定的な反応が、日本では低い傾向にあることがわかった。
同調査は、デロイトのテクノロジー・メディア・テレコムインダストリーが全世界17か国・地域の計2万7150人を対象に2023年8月~9月に実施したデジタル消費者動向調査を基に、同社が日本独自の考察を加えたもの。なお、日本における調査対象者は2000人。
欧州に比べて生成AIコンテンツに寛容な日本
生成AI(人工知能)の認知者に対して、生成AIで作成した音楽と知ったら聴く意欲が減ると思うかを聞くと、日本は27%が減ると回答し、欧州(英国50%、スウェーデン43%、ドイツ41%)と比べて低い。
今後の生成AIによる仕事の代替に懸念を持つ回答者は日本では26%、英国では48%だった。一方、デンマーク、スウェーデン、ノルウェーでは、全く懸念していない回答者の割合が高い傾向にある。
スマートフォンの普及状況
スマートフォンの普及状況を見ると、日本での普及率は89%と飽和状態にある。一方、多くは新品で購入しており、中古品の購入は約5%留まっていることから、日本におけるスマートフォンの中古市場はまだ黎明期にあると、同社は見る。
デジタル・デバイスでモニタリングしている健康指標では、歩数が最も多い。特に、高齢者は歩数を、若年層は体重や睡眠パターンをモニタリングしている傾向にある。また、健康データを医師に提供して良いと考える人は若年層を中心に高く、全体で半数を超えている。
通信回線に関しては、16%が調査時点から過去1年間に自宅のインターネットサービスに対し、より高速化・高品質化・低コスト化を求めて見直した。
5G(第5世代移動通信システム)を利用している38%の回答者のうち、4Gとの差を実感できているとの回答は36%に留まった。
スマートフォンなどの決済機能について、回答者の過半数が利用しており、約3割は利用頻度が高い。
スマートフォンに置き換えてもよいと考えている用途では、身分証明書(21%)や運転免許証(14%)、自宅の鍵(11%)で前向きな回答が比較的多かった。