これまで遡上高が4メートルを超える津波が石川県志賀町の漁港に押し寄せたことが東京大学地震研究所などの研究チームの緊急調査で明らかになっていたが、今回同庁の調査で津波は能登半島端の震源からかなり離れた新潟県湾岸部でも6メートル近い遡上高があり、富山県にも津波が到達していたことが確認された。

気象庁の機動調査班は、土木学会海岸工学委員会などで組織された「能登半島地震津波調査グループ」に参画し、今月11~20日にかけて遡上高や建物に残された「痕跡高」を計測した。

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    津波の遡上高と痕跡高の調査地点(気象庁提供)

気象庁の調査の結果、遡上高では新潟県上越市の船見公園での最大値のほか、同市直江津海水浴場で4.5メートル、石川県七尾市下佐々波漁港で2.2メートル、同県能登町恋路海岸で1.7メートル、富山県射水市海竜新町で1.5メートルだった。

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    推定5.8メートルの遡上高が測定された新潟県上越市船見公園の測定調査地点(気象庁提供)

また、痕跡高では石川県能登町白丸で4.7メートル、同県珠洲市の飯田港で4.3メートル、同県能登町内浦総合運動公園で4.0メートル、新潟県佐渡市羽茂港で3.8メートルなどを測定した。

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    推定4.7メートルの痕跡高が測定された石川県能登町白丸の調査地点(気象庁提供)

遡上高、痕跡高ともに同庁の検潮所などで沿岸部の平常潮位との差を観測して発表する「津波の高さ」とは異なり、いずれも数値が高くなる傾向にある。同庁は地震発生直後に大津波警報を出し、石川県の輪島港で1.2メートル以上の津波高を観測したと発表していた。

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    津波の遡上高と痕跡高、「津波の高さ」を説明する図(気象庁提供)

気象庁によると、同庁の観測地点のうち、石川県珠洲市の長橋地点では地震により海底が露出したため計測できていない。また輪島市の輪島港でも地震直後の最大値を観測してから一時装置が故障したとみられ、その後のデータが取れていなかった。

同庁は今回両地点付近も調査したが、津波による浸水の痕跡を見つけることはできなかったという。両地点付近では別の現地調査で地盤の隆起が確認されており、津波の跡が見つからなかったのは地震直後に隆起したのが影響したとみられるという。

震源から離れた富山市などにも短時間で津波が到達したとみられることについて、東北大学災害科学国際研究所は富山湾の水深が深く、急勾配の海底地形や海底谷が多く、海底で地滑りが起きて大地震とは別の新たな津波が発生した可能性があるとの見方を示している。

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