小野測器は、さまざまな工業製品の騒音低減に貢献する「O-Solution・DS-5000 音響パワーレベル計測システム」を2024年2月7日より発売することを発表した。

  • O-Solution・DS-5000 音響パワーレベル計測システム

    O-Solution・DS-5000 音響パワーレベル計測システムのイメージ (出所:小野測器)

同システムは、同社の音響パワーレベル計測(音圧法)「DS-0231A」の後継モデルとして位置付けられるもので、同社の最新ソフトウェア「O-Solution」とハードウェア「データステーションDS-5000」、アプリケーション「OS-0541 音圧法音響パワーレベル」を組み合わせたものとなる。

「音響パワーレベル」とは単位時間あたりに放射する音の総エネルギー量を示したもので、一般の音圧レベルが音源との距離や試験環境の影響で値が変わってしまうのに対し、音響パワーレベルは音源固有の値となるため、異なる製品間の比較や騒音規制などで広く利用されている。

従来、モータやインバータを内蔵した製品は、高い周波数の音を発生しやすくなり、ときに不快に感じることもあるため音を低減する取り組みが重要だというが、高い周波数の音は聞く位置によって音の大きさが変わるため、1点の騒音レベルで評価することが難しい点が課題だったという。

そうした中、音を多点でとらえる国際規格に準拠した音響パワーレベル計測が普及し、スタンダードとなりつつあり、現在はエアコンや事務機器の運転音として用いられているほか、近年は自動車部品や家電業界にも広がりをみせるようになってきたという。同システムでは、そうした国際規格に対応した計測と音の発生源や周波数ピークの確認を簡単に行うことが可能であり、効率的に騒音対策ができるようになるとする。

主な特長としては、国際規格に対応した計測を簡単に実行しレポート出力まで実行可能であることに加え、20KHzまでの音響パワーレベルを算出できるため、より正確に把握することが可能(計測点数が多い場合は、音源に再現性があり安定していれば複数回に分割して計測することも可能)であったり、騒音の原因分析も複数手法で行うことが可能な点などが挙げられるという。

なお同社は同システムについて、規格のオクターブごとの結果よりも詳細な音響パワーレベルを観測することで、音の原因となる周波数ピークやタイミング、音源位置の特定を効率よく実施することが可能な点に加え、再計測の手間なく原因分析を行うことができることから騒音試験のコスト削減につながるとしており、(電機自動車)EVをはじめとするE-Axleを搭載した次世代モビリティの騒音の原因分析や事務・空調・家電・発電機などといった各種機器の騒音の原因分析を主なターゲット市場として提案していきたいとしている。