国内のAI(人工知能)やブロックチェーン技術の有識者らは1月10日、生成系AIにまつわる著作権や倫理的問題の解決を目指しながら、アニメ制作現場の人手不足の解決につなげる「アニメチェーン」準備委員会を設立すると発表した。

同委員会では、コンテンツ・エコシステムを拡大し、来るAI時代においてもクリエイターが継続した制作活動を行え、その収益を最大化していくことを目的とする「アニメチェーン構想」を目指す。

具体的には、クリエイターの権利の尊重を目的として、基盤モデルを含むすべての学習を、権利者の許諾を受けた「オプトイン素材」のみを使用して再構築した生成系AIおよび関連ツールを提供する。さらに、生成系AIの透明性と正当性を確保するため、その開発プロセスをブロックチェーンに記録することで、生成系AIに関連する著作権問題と同時に倫理的問題の解決も図る。

また、生成系AIで作られたコンテンツの収益を、制作したクリエイターだけでなく、ブロックチェーン上の生成経緯に基づき学習データを提供した権利者へも還元していく。

日本のコンテンツ産業、特にアニメ産業は、世界的な需要が高まっている状況にもかかわらず、制作現場における人手不足が深刻な問題となっている。この切迫した状況に対処するため、ブロックチェーンを活用した正当な系譜を持つ生成系AIの導入は必要不可欠だと同委員会は指摘している。

今後、クリエイターコミュニティや業界関係者との協力体制の構築、生成系AIが生み出すコンテンツ利用におけるガイドラインの制定などに取り組んでいく考えだ。将来的には、オプトイン素材のみを使用した基盤モデルの構築・独自ブロックチェーンの構築につなげていく。