BIPROGYは12月25日、AI(人工知能)を使用した国内製造現場の生産性向上を支援するためとして、製造業に特化したAIプラットフォームを提供する台湾PROFET AI TECHNOLOGYと販売代理店契約を締結した。2026年までにProfet AI製品の30社への導入と5億円以上の売上を目指す。

  • Profet AIの製品と機能

「Profet AI」の概要

Profet AIは台湾国内で、プログラミングレスで自動的に機械学習モデルを作成できる製造業向けのAIプラットフォームを提供している。AI開発言語などの専門知識が無い担当者でも、同社のAIプラットフォームによりAIを使用した業務改善に短期間で取り組むことができる。

また同社は、台湾の製造業100社以上にAIプラットフォームを提供しているといい、特に半導体やEMS(電子機器受託製造)、液晶パネルなどの業界では、世界トップ5に入る規模の企業への導入実績もあり、台湾の製造業を中心に多くの業務や製品品質の改善を支援している。

一方、日本の製造現場では、熟練技術者の勘や経験に頼った生産設備の調整や製品品質の予測を行っている。

この製造現場に同社のAIプラットフォームを導入することで、収集したデータに基づく業務改善が短期間で可能とのこと。また、生産工程の歩留まりやサイクル・タイムを改善し、カーボン・ニュートラル達成に向けた、原材料のロス低減や効率的な設備稼働を実現するとしている。

  • 期待できる効果

「Profet AI」の利用例

BIPROGYは利用例として、射出成形パラメータ最適化と繊維産業の2例を挙げる。

射出成形の製造に関連するパラメータの最適化は熟練技術者でも困難な作業というが、Profet AIのAIプラットフォームを使用すると、AIによる最適なパラメータの推奨を行い、作業時間を約10%短縮する。

<繊維産業において、機能性生地の開発や原材料調達では熟練技術者の経験や知識に頼ることが多いが、過去の製品開発の経験や原材料調達のデータを利活用したAIモデルを構築し、原材料調達コストの予測や生地収縮率の予測により、製品開発の効率化を実現する。

BIPROGYはProfet AIのAIプラットフォームの販売を通じて、スマート・ファクトリーや製造DX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進し、日本の製造業の課題解決を支援するとしている。