東京都市大学、TIS、岡山理科大学、工学院大学は12月11日、バーチャル空間での視線を可視化し、視線の可視化がない場合と比べて3倍以上の割合でコミュニケーションを誘発する技術を開発したことを報告した。
開発段階では、視線の可視化手法を3種類(矢印、シャボン玉、ミニチュアのアバター)を実装し、この3つの可視化された視線と可視化されない視線を比較するユーザー実験を行った。その結果、可視化された視線はいずれも、可視化されない視線よりも偶発的なコミュニケーションを誘発することが明らかになったという。(可視化なし:15.0%、矢印:45.4%、シャボン玉:54.5%、ミニチュアのアバター:47.1%)
この技術はバーチャルオフィスやバーチャル展示会場、バーチャルイベントなど、バーチャル空間で複数のユーザーが共在する多くの場面に応用でき、偶発的に出会った人とのインフォーマルコミュニケーションの機会を創出するデジタル空間の実現が期待されるという。
TISは今後について、本研究成果の発信に加えて、開発した可視化手法が組み込まれたソーシャルVR(Virtual Reality:仮想現実)プラットフォームを開発し、オープンソースソフトウェアとして公開する予定だとしている。企業や研究機関、大学などでのバーチャルコミュニケーション支援に関する研究開発の進展にも寄与する。