Microsoftは2023年10月にWindows 11の最新版であるバージョン23H2をリリースした。1年に1度の大型アップデートだが、ExtremeTechが12月5日、「Windows 11 23H2 Is Slowing Game Performance, but Microsoft Has a Workaround」において報じたところによると、この23H2を適用した一部のユーザーから、ゲームを使用している最中のCPUパフォーマンスが大幅に低下しているという報告が寄せられているという。
ユーザーから寄せられた報告を総合すると、ゲームのパフォーマンスの低下はAMD製のCPUを使用している環境で発生しているようだ。あるユーザーは、 23H2へのアップデート後に、Forza Horizon 5のような新しいゲームで通常は90%以上であるGPU使用率が突然20〜23パーセントまで低下し、FPSも70~80から約10~23まで低下したと報告している。
また、別のユーザーは、新規インストールとクリーンインストールの両方を試し、いずれでもCPUパフォーマンスが大幅に低下したことを確認したと伝えている。このユーザーはコア分離や仮想化ベースのセキュリティ、Copilot、セキュアブートなどといった機能を無効にしても効果が無かったとのことだ。これらの投稿に対して、他の多くのユーザも同様現象を経験をしたとコメントしている。
MicrosoftはRedditユーザーからの問い合わせに回答する形で、この問題に対する暫定的な回避策を提示したという。回避策の手順は以下の通り。
- 最初にPowerShellで「Set-ExecutionPolicy Unrestricted」および「Get-AppxPackage Microsoft.SecHealthUI -AllUsers | Reset-AppxPackage」の2つのコマンドを実行してWindows Defender をリセットする
- 再起動してBIOSの設定でCPU仮想化を有効にする
Windows起動後に、「Windows セキュリティ」の「デバイス セキュリティ」のページで「コア分離」設定の「メモリの整合性有効にする。これらの変更を行った後でWindowsを再起動する
このRedditユーザーは、Microsoftからの指示通りに設定した結果パフォーマンスは元に戻ったと報告しているが、問題が発生している全てのユーザーにとって同様の回避策が有効かは定かではない。本稿執筆時点で、Microsoftは恒久的な対策を発表していないため、ExtremeTechでは、AMD CPUを使用しているユーザーは23H2へのアップデートをしばらく控えることを勧めている。