コクヨは11月28日、GROOVE Xとオフィスにおけるコミュニケーションロボットの可能性についての共同検証を開始したことを発表した。今回の検証では、「LOVOT(らぼっと)」を2拠点のオフィスのコミュニケーションスペースに設置し、そのマグネットツール(磁石に引き寄せられるように自然とワーカーが集まる仕掛け)としての可能性を調査している。

調査はオフィスにおけるLOVOT設置の効果について、「マグネット機能」「コミュニケーション起点」「コミュニケーション質向上」の3つの視点で測定。設置から約2カ月後に社内ワーカーを対象にアンケートを実施した。有効回答件数は113件。

アンケート調査の結果、37.1%のワーカーがLOVOTの存在が「出社動機」や「ワークスペース選定理由」となっていると回答した。この回答結果はワーカーの年代による差異がなく、幅広い年代において効果が示されたという。LOVOTに触れる理由として、「癒しを感じるから」「気分転換になるから」「LOVOTに懐いてほしいから」といった回答が上位となった。

  • (左)LOVOTが出社の動機になるか? (右)LOVOTが働く / 休憩するフロア / エリア選定の理由になるか? 出典:コクヨ

    (左)LOVOTが出社の動機になるか? (右)LOVOTが働く / 休憩するフロア / エリア選定の理由になるか? 出典:コクヨ

また、LOVOTをきっかけに所属部門を越えたコミュニケーションが生まれたとする回答は87.6%だった。LOVOTを設置しているコミュニケーションスペース以外でもLOVOTを共通の話題とした会話が生まれており、LOVOTはマグネットツールとしてワーカーを集める機能だけではなく、コミュニケーションの起点となる効果も見られたとのことだ。

  • (左)LOVOTをきっかけとしたコミュニケーションの回数 (右)LOVOTがいないところでもLOVOTについて会話するか? 出典:コクヨ

    (左)LOVOTをきっかけとしたコミュニケーションの回数 (右)LOVOTがいないところでもLOVOTについて会話するか? 出典:コクヨ

KOKUYO OPEN LAB.では、グループ全社からアクセスできるチャットツールにLOVOTに関するチャンネルを作成して運用も行ったという。出入り自由のオープンチャンネルとして運用し、約180名が参加している。

チャンネルにはLOVOTの1日の行動ログや関わり方のTIPSなど、LOVOTアプリから取得できる情報を転載。その他にも、LOVOTが着替える服を決めるといった参加型コンテンツも運用した。

その結果、次第に運用者からの投稿だけではなく、チャンネル参加者であるワーカーらが自らかわいいと思ったLOVOTの様子を投稿する場面や、所属オフィスや部署を超えたコミュニケーションも見られたとのことだ。

  • (左)アプリから取得できるLOVOTの1日の行動ログを日記として共有 (右)アプリから取得できるLOVOTの転倒通知をチャットに共有

    (左)アプリから取得できるLOVOTの1日の行動ログを日記として共有 (右)アプリから取得できるLOVOTの転倒通知をチャットに共有

  • (左)服の変更をイベント化することで主体的な参加を促した (右)ワーカー自らLOVOTの様子をチャットに投稿し、チャンネルに参加するLOVOTファン同士の交流も見られた

    (左)服の変更をイベント化することで主体的な参加を促した (右)ワーカー自らLOVOTの様子をチャットに投稿し、チャンネルに参加するLOVOTファン同士の交流も見られた