ガートナージャパン(Gartner)は11月13日、人工知能(AI)、特にジェネレーティブAI(生成AI)の台頭が人間とマシンの関係を大きく変化させているとの見解を発表した。AIが単なるITイニシアティブではなく、全社的なイニシアティブになるにつれて、CIOとITエグゼクティブにとって重要な2つの領域が明らかになっているという。

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米Gartnerのディスティングイッシュト バイス プレジデント アナリスト兼フェローのデーブ・アロン氏は、「ジェネレーティブAIは単なるテクノロジーでもビジネス・トレンドでもありません。人間とマシンとの関係において重大な変化をもたらすものです。マシンは『人間の代わりに何かをする』ものではなく、マシンが『人間と共に何かをする』ものに変わりつつあります。マシンは人間のツールからチームメイトへと進化しつつあるのです。2030年までに、人間の80%はスマート・ロボットと日常的に関わるようになるとGartnerではみています」と述べている。

同氏はまた、「CIOには、人がAIをどのように形成し、AIが人をどのように形成するかについて、大事な役割を担っています。Gartnerの調査によると、世界のCEOの51%が、CIOなどのテクノロジ・リーダーがジェネレーティブAIへの取り組みを主導することを期待しています」と解説した。

ガートナージャパンのバイス プレジデント アナリストである片山博之氏は、「現在のAIの課題の1つは、変化が非常に速く、きわめて複雑であることです」と述べている。同氏によると、AIには主にEveryday AIとGame-changing AIの2種類があるという。

Everyday AIは生産性に焦点を置いており、マシンは生産性の向上をサポートするパートナーになるといい、従業員が既に行っていることを、より速く、より効率的に実行するとのこと。

Game-changing AIは主に創造性に焦点を置いており、片山氏は「ゲーム・チェンジングAIによって、マシンはビジネスモデルや業界全体にディスラプション (破壊)をもたらすでしょう」と述べる。

エブリデイAIとゲーム・チェンジングAIの活用機会は、バック・オフィス、フロント・オフィス、新しいコア機能、プロダクトとサービスの4つの領域にあるとのこと。

CIOは経営幹部のAIガイドとして、これらの領域でジェネレーティブAIを使用する機会とリスクを検証することによって、CEOや他のCレベル幹部がAIの複雑さを克服し、AIに関する目標を設定し、組織におけるAIの活用機会を特定できるよう支援できるとしている。

今後1年以内にジェネレーティブAIの迅速かつ安全な導入を促進するために、組織は1)AI-Readyの原則を策定する、2)データをAI-Readyにする、3)AI-Readyのセキュリティを実装する、の3項目に取り組む必要があるという。

前出のアロン氏は、「AI活用型ビジネスの時代に、事前の計画策定を怠れば、意図せぬ結果が生じることになります。CIOには、あらゆるものが目新しく不透明に見えるときでも、前途を照らす手段が必要です。CIOがこのディスラプションを安全に活用するためには、CEOや他のCレベル幹部と連携して、エブリデイAIやゲーム・チェンジングAIを利用する目的を明確にし、AI-Readyになるための原則/データ/セキュリティを確立しなければなりません」と述べている。