ソフトバンクと同社の子会社でデジタル・インフラ専業会社であるIDCフロンティアは11月7日、地方にデータセンターの新規拠点を整備するに当たって経済産業省が一部の費用を支援する、令和5年度「データセンター地方拠点整備事業費補助金」の公募において、両社が整備事業者としての採択を受けたと発表した。

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今後、生成AI(人工知能)の普及が進むことで、データ処理やデータ処理に必要な電力需要の急増が見込まれる一方で、現在は国内のデータセンターの約8割が東京圏や大阪圏などに集中しており、データセンターのレジリエンスの強化や電力負荷の分散などが求められているという。

  • 構築予定データセンターの位置付け

両社はこのような背景を踏まえて、東京や大阪に並ぶ新たな拠点として、北海道苫小牧市に大規模な計算基盤などを整備したデータセンターを建設する。

新データセンターは、データの処理と電力の消費を全国に分散するというソフトバンクの次世代社会インフラ構想の要となる「Core Brain(コアブレイン)」として構築し、将来的に敷地面積が国内最大規模という70万平方メートル、受電容量が300メガワット超まで拡大する見込みとのこと。

両社は経産省の補助金を受けて、まずは50メガワット規模のデータセンターについて2026年度の開業を目指す。また、高いデータ処理能力を持つ大規模な計算基盤環境を今後新たに構築して、生成AIの開発およびその他のAI関連事業に使用する他、社外からの多様な利用ニーズに応えるため、大学や研究機関、企業などに幅広く提供していく予定という。

  • データセンターの拠点一覧

なお、このデータセンターで使用する電力は、ソフトバンクの子会社で小売電気事業者であるSBパワーおよび北海道電力から供給を受けて、北海道内の再生可能エネルギーを100%利用する地産地消型のグリーン・データセンターとして運用を行う予定だ。