データセンターは、サーバーを安全かつ安定的に稼働するために特化した施設です。自社ではなかなか行えない高度なセキュリティや設備を提供し、サーバーを天災や盗難などのリスクから守ります。

今回は、データセンターのおすすめサービス比較するとともに、データセンターの基礎知識と利用するメリット・デメリットなどについて解説します。クラウドサービスとの違いやデータセンターの選び方についてもまとめました。

データセンターとは

  • データセンター

データセンターとは、サーバーを設置する物理的なスペースを提供する、施設の総称です。立地的に天災の被害を受けにくい場所が選ばれ、地震に強い建物構造になっており、サーバーをさまざまな被害から守ります。

施設内はサーバー稼働に適切な温度・湿度に設定され、熱暴走などからサーバーを守っています。サーバーを安定的に稼働させるために、ネットワークや電力などを冗長化。トラブルが生じても事業を続けられるように工夫されている点も、データセンターの大きな特徴です。

データセンターは、場所だけを借りて自社サーバーを置く、データセンター側で提供するサーバーを借りるなどして利用します。自社サーバーの場合、自社で運用するため、自社と近い場所のデータセンターを選ぶと便利です。

データセンターソリューションのおすすめ16サービス比較表

それでは、おすすめのデータセンターソリューションを16サービスご紹介します。

名称 立地場所 設備構造 FSレベル
WebARENA 門前仲町、勝どき、堂島 免震構造 ティア3相当(門前仲町)
IDCフロンティア 福島、東京3、神奈川、大阪、福岡 免震構造 ティア3相当(北九州)
さくらインターネット 北海道、東京3、大阪 免震構造
制震構造
耐震構造
Ryobi-IDCサービス 岡山市北区2、岡山市南区 免震構造2
耐震構造
ティア2~4相当(Ryobi-IDC 第3センター)
ティア3相当(Ryobi-IDC 第2センター)
ティア2相当(Ryobi-IDC 第1センター)
S-Port データセンターサービス 東京第一、東京第二、北陸、大阪、九州、沖縄 耐震構造(東京第一)
免震構造(北陸)など
ティア3相当(北陸、沖縄)
QTnet福岡第3データセンター 福岡県 免震構造 ティア4相当
Colt 印西データセンター 千葉県印西市 免震構造
JSS東京IDC 東京23区内 免震構造
大阪コロケーションソリューション 大阪府箕面市 ティア3相当( Uptime Instituteの基準)
FIT-IDC 富山県 免震構造
東京データセンター 東京都中央区 免震構造
シーイーシーの都市型データセンター 東京2・神奈川・九州 耐震構造
ICC-IDCデータセンター 石川県白山市 免震構造
Colt東京塩浜データセンター 東京都江東区
ビジネスiDC 60ヶ所以上
クラウド クロス コネクト 大阪

データセンターソリューションのおすすめ16サービス徹底比較!

「WebARENA」
株式会社エヌ・ティ・ティピー・シーコミュニケーションズ

POINT
  • 参考価格:別途問い合わせ
  • 立地場所:3ヶ所(門前仲町、勝どき、堂島)
  • 設備構造:免震構造
  • FSレベル:ティア3相当(門前仲町)
  • 利用方法:ハウジング、ホスティング、クラウドサービス
  • セキュリティ対策:監視カメラ、ICカード、生体認証、共連れ防止設備など

これまでの運用実績を活かし、高いレベルの耐震構造や防災設備を整え 、拡張に備えた電源供給など、データセンターとして求められる機能を網羅しています。提供サービスが豊富 な点も注目ポイント。ハウジングだけでなくホスティングとしても利用可能です。


「IDCフロンティア」
株式会社IDCフロンティア

POINT
  • 参考価格:別途問い合わせ
  • 立地場所:7ヶ所(福島、東京3、神奈川、大阪、福岡)
  • 設備構造:免震構造
  • FSレベル:ティア3相当(北九州)
  • 利用方法:ハウジング、ホスティング、クラウドサービス
  • セキュリティ対策:有人・24時間体制の入退局管理、カードキーによる入退出管理、監視カメラ、ラックごとの専用鍵、専用監視カメラ(オプション)、パーティションによる占有空間(オプション)

都内最大級の「東京府中データセンター」 を中心に、福島・神奈川・大阪・福岡にも展開する全国規模のデータセンター。ソフトバンクグループのネットワーク網 を駆使して、さまざまなネットワーク回線が利用できます。

入館不要のマネージドサービス (監視・運用の代行)も展開しているので、サーバーの運用もアウトソーシングしたい場合におすすめです。


「さくらインターネット」
さくらインターネット株式会社

POINT
  • 参考価格:別途問い合わせ
  • 立地場所:5ヶ所(北海道、東京3、大阪)
  • 設備構造:免震構造、制震構造、耐震構造
  • FSレベル:別途問い合わせ
  • 利用方法:ハウジング、ホスティング、クラウドサービス
  • セキュリティ対策:非接触ICカードや生態認証による入退室管理、監視カメラ

対外接続1.78Tbps、データセンター間も10GBクラスのネットワーク構成で、高い安定性とスループットを実現 しているデータセンター。石狩データセンターはクラウドコンピューティングに最適化 。北海道の冷涼な気候と地震・津波・液状化リスクの低い立地を活かしている点が特徴的です。


「Ryobi-IDCサービス」
株式会社両備システムズ

POINT
  • 参考価格:クォータラック 40,000円~/月
  • 提供形態:サービス
  • 立地場所:3ヶ所(岡山市北区2、岡山市南区)
  • 設備構造:免震構造2、耐震構造
  • FSレベル:ティア2~4相当:Ryobi-IDC 第3センター、ティア3相当:Ryobi-IDC 第2センター、ティア2相当:Ryobi-IDC 第1センター
  • 利用方法:ハウジング、クラウドサービス
  • セキュリティ対策:ICカード、生体認証、監視カメラ、フラッパーゲート、ボディスキャナ、ラック施錠管理、追跡型防犯カメラ

比較的災害の少ない岡山に3ヶ所あるデータセンター。最新のRyobi-IDC 第3センターは、 企業の要件に合わせてティア2から4までの3段階対応可能なマルチティア である点が大きな特徴です。6段階の物理的なセキュリティ区画があり、厳重なセキュリティ対策がなされています。

提供サービスはハウジング・クラウドサービス(IaaS・R-Cloud DX)、バックアップソリューション。ハウジングでは、高負荷電力対応スペースを用意。 バックアップサービスはDR/BCP対策として便利です。


「S-Port データセンターサービス」
鈴与シンワート株式会社

POINT
  • 参考価格:別途問い合わせ
  • 提供形態:サービス、オンプレミス、クラウド、ハードウェア、SaaS、ASP、アプライアンス
  • 立地場所:6ヶ所(東京第一、東京第二、北陸、大阪、九州、沖縄)
  • 設備構造:耐震構造(東京第一)免震構造(北陸)など
  • FSレベル:ティア3相当(北陸、沖縄)
  • 利用方法:ハウジング、ホスティング、クラウドサービス
  • セキュリティ対策:【北陸の場合】高さ2mのフェンス、セキュリティゲート、24時間365日の有人体制、監視カメラ、ICカード認証、指透過式の指紋認証

ハウジングとクラウドサービスのハイブリッド利用が可能 なデータセンター。北陸や沖縄はティア3相当の高い堅牢性を誇ります。また、 東京第一と大阪は連携しており、災害対策・バックアップ対策を取っている点も特徴の1つです。

提供サービスは、監視・運用サービス、各種機器レンタル、クラウドサービスなど豊富なラインナップで柔軟性があります。


「QTnet福岡第3データセンター」
株式会社QTnet

POINT
  • 参考価格:別途問い合わせ
  • 立地場所:1ヶ所(福岡)
  • 設備構造:免震構造
  • FSレベル:ティア4相当
  • 利用方法:ハウジング、ホスティング、クラウドサービス
  • セキュリティ対策:24時間365日有人監視、各種ゲート、生体認証、監視カメラなど

ティア4相当 の堅牢性を誇るデータセンター。自家発電設備は、72時間もの無給油連続運転が可能 です。通信回線はマルチキャリア対応で、基本はハウジング・コロケーションサービスを提供しています。

オプションサービスは各種マネージドサービス、通信業者の強みを活かした各種ネットワークサービスなど。 パブリッククラウド同様の手軽さで使えるオンプレミス型従量課金サービス「QT PRO フレックスキャパシティサービス+」もあります。


「Colt 印西データセンター」
Coltテクノロジーサービス株式会社

POINT
  • 参考価格:別途問い合わせ
  • 提供形態:サービス、その他
  • 立地場所:1ヶ所(印西)
  • 設備構造:免震構造
  • FSレベル:別途問い合わせ
  • 利用方法:ハウジング、クラウドサービス
  • セキュリティ対策:生体認証システムなど

アジアおよびヨーロッパ各地にデータセンターを展開する「Colt DCS」の印西データセンター。千葉県印西市は、 東京から約40kmと近く地震の予想最大損失率(PML)は2.6%と地震のリスクが低い 点が大きな特徴。他社のデータセンターも見られます。

また、特注サービス、ハイブリッド・クラウド接続など特徴のあるサービスをラインナップ 。要望に合わせた柔軟な対応が可能です。


「JSS東京IDC」
株式会社ジェイ・エス・エス

POINT
  • 参考価格:別途問い合わせ
  • 提供形態:その他、サービス
  • 立地場所:1ヶ所(東京)
  • 設備構造:免震構造
  • FSレベル:別途問い合わせ
  • 利用方法:ハウジング、ホスティング
  • セキュリティ対策:ICカード、掌静脈認証、完全無窓化、監視カメラなど

利用しやすい価格設定 のデータセンター。東京23区内にあるのでアクセスが便利 な点が大きな特徴です。マグニチュード7.3の地震にも耐えうる免震構造やUPS・自家発電装置など、データセンターに求められる堅牢性はしっかり対応しています。

提供サービスは基本のハウジングやホスティングのほか、コンサルティングサービスやBPOサービスなど 。初めてデータセンターを利用する際にも安心です。


「大阪コロケーションソリューション」
MCデジタル・リアルティ株式会社

POINT
  • 参考価格:別途問い合わせ
  • 提供形態:サービス
  • 立地場所:1ヶ所(大阪第二)
  • 設備構造:別途問い合わせ
  • FSレベル: Uptime Instituteのティア3相当
  • 利用方法:ハウジング
  • セキュリティ対策:監視カメラ、生体認証及びカードアクセスによる入室管理、24時間365日の有人警備、出入口を1ヶ所に限定など

大阪第二データセンターにて提供するコロケーションソリューション。大阪第二データセンターは日本データセンター協会(JDCC)よりも 厳しい基準のUptime Instituteのティア3を取得しています。

本ソリューションの特徴は、クラウドとの相互接続手段の豊富さ や運用サービス(リモートハンドサービスなど)が用意されている点です。また、大容量に備えた拡張性にも配慮されているため、 将来サーバーを増設したい場合にも対応できます。


「FIT-IDC」
北電情報システムサービス株式会社

POINT
  • 参考価格:別途問い合わせ
  • 提供形態:サービス
  • 立地場所:1ヶ所(富山)
  • 設備構造:免震構造
  • FSレベル:別途問い合わせ
  • 利用方法:ハウジング
  • セキュリティ対策:別途問い合わせ

首都圏・関西・中部の3大都市圏とちょうどよい距離にある富山のデータセンター 。ハウジング・コロケーションなどのサービスを提供しています。オペレーション代行やリモートバックアップサービスも用意BCP対策としてデータのバックアップ運用を行いたい場合に向いているサービスです。


「東京データセンター」
株式会社大崎コンピュータエンヂニアリング

POINT
  • 参考価格:別途問い合わせ
  • 提供形態:クラウド、サービス
  • 立地場所:1ヶ所(東京)
  • 設備構造:免震構造
  • FSレベル:別途問い合わせ
  • 利用方法:ハウジング、ホスティング
  • セキュリティ対策:24時間365⽇常駐監視体制、監視カメラなど

東京都中央区にありアクセス至便 のデータセンター。ハウジング・ホスティング両方のサービスを提供するだけでなく、データセンターの利用提案から構築・代行までをワンストップで請け負うサービスを提供しています。 データセンター運用を一括してアウトソーシングしたい場合に検討したいサービスです。


「シーイーシーの都市型データセンター」
株式会社シーイーシー

POINT
  • 参考価格:6kVAラック 100,000円/月など
  • 提供形態:クラウド、オンプレミス、ハードウェア、SaaS、サービス
  • 立地場所:4ヶ所(東京2・神奈川・九州)
  • 設備構造:耐震構造
  • FSレベル:別途問い合わせ
  • 利用方法:ハウジング、ホスティング
  • セキュリティ対策:ICカード、24時間365日の有人監視、フロア制限、監視カメラなど

国内4ヶ所にあるデータセンター。システムの運用を専門のIT技術者がサポートする点が大きな特徴です。 レンタルサーバー大容量ネットワークサービスも提供しています。


「ICC-IDCデータセンター」
株式会社石川コンピュータ・センター

POINT
  • 参考価格:別途問い合わせ
  • 提供形態:クラウド、サービス
  • 立地場所:1ヶ所(石川)
  • 設備構造:免震構造
  • FSレベル:別途問い合わせ
  • 利用方法:ハウジング、クラウドサービス
  • セキュリティ対策:監視カメラ、入退管理、ラック施錠管理、24時間365日の有人監視

石川県白山市にあるデータセンター。ハウジングおよびクラウドサービスを提供します。システムの運用代行や監視サービスもあり、 運用をアウトソーシングできます。

また、行政専用のネットワークサービスを提供するLGWAN-ASPサービスや、BCP

対策に利用できるBCPリモートバックアップサービスも。多彩な提供メニューも特徴の1つです。


「Colt東京塩浜データセンター」
Coltテクノロジーサービス株式会社

POINT
  • 参考価格:別途問い合わせ
  • 提供形態:サービス、その他
  • 立地場所:1ヶ所(東京塩浜)
  • 設備構造:別途問い合わせ
  • FSレベル:別途問い合わせ
  • 利用方法:ハウジング、ホスティング
  • セキュリティ対策:生体認証システムなど

東京都江東区に位置する都市型のデータセンター。特に金融業界から求められる高頻度取引に対応 している点が大きな特徴です。キャリアに縛られず、自由なネットワーク構成を構築可能です。また、 24時間体制のバイリンガルサポートで、日本語・英語両方でサポートを受けられます。


「ビジネスiDC」
株式会社 USEN ICT Solutions

POINT
  • 参考価格:別途問い合わせ
  • 提供形態:その他
  • 立地場所:60ヶ所以上
  • 設備構造:別途問い合わせ
  • FSレベル:別途問い合わせ
  • 利用方法:別途問い合わせ
  • セキュリティ対策:別途問い合わせ

約60ヶ所のデータセンターより、自社に適したセンターを選んで利用 するソリューションサービス。複数のデータセンターに個別問い合わせせず、 一括で株式会社 USEN ICT Solutionsに問い合わせできる ので便利です。専門のアドバイザーに相談しながら、自社に合った設備を選べます。

また、データセンターとクラウドサービスのハイブリッド利用により、柔軟性のあるサーバー運用も可能です。


「クラウド クロス コネクト」
NTTスマートコネクト株式会社

POINT
  • 参考価格:29,000円/月より
  • 提供形態:サービス
  • 立地場所:1ヶ所(大阪)
  • 設備構造:耐震構造
  • FSレベル:該当せず
  • 利用方法:該当せず
  • セキュリティ対策:該当せず

NTTスマートコネクト株式会社の提供するハウジング・クラウドサービスや主要なクラウドサービスを、閉域網で接続 するサービス。データセンターも包含してセキュアなダイレクト接続を実現します。本サービスの特徴は、 低遅延で各サービスを利用できる点です。

閉域網の利用方法により2種類のプランを用意 。低コスト・ベストエフォート型の共用型プランか、安定した通信品質が確保できる帯域確保型プランを選択できます。価格と性能の見合いで、どちらのプランにするかを決めましょう。

データセンターの設備

データセンターの基礎知識として、どのような設備があるか、比較検討したい部分は何かを解説します。

1、物理スペース

データセンターの内部は、サーバーを設置するために広い物理スペースが必要です。サーバーを設置するスペースだけではなく、サーバーの組み立てや分解を行うための作業スペース、作業者が休憩できるスペースなどもあります。

2、ラック

サーバーを設置する棚のことです。ラックサイズで料金が決まる場合もあります。ラックを目いっぱい使ってサーバーを設置すると、排熱がうまくいかずサーバーの動作に支障が出かねません。そのため一般的には、ある程度余裕を持ったサイズのラックが提供されます。

3、インターネット回線

サーバーはインターネット回線を通じて利用します。そのためインターネット回線も提供されます。多くのサーバーが設置されてアクセス数も多いため、高速・高品質な回線が用意されているのが一般的です。また、回線が一部不通になっても別回線を利用できるよう、回線の冗長化もなされています。

4、電力

多くのサーバーを年中無休で稼働するデータセンターでは、電力を安定供給できる設備も必要です。停電の場合には非常用電源に切り替えるなど、電力の供給方法を冗長化して、不測の事態が発生してもサーバーを稼働できるような仕組みを備えています。

5、空調

パソコン1台だけでも、稼働を続けていると熱を持ちます。サーバーが非常に多く集まるデータセンターでは多量の熱が発生するため、空調設備も重要です。サーバーを安定的に稼働させる温度は18~27度、湿度は35~60%。この値を守るよう、適切な量の空調設備が配置されています。

6、災害対策

データセンターの利用目的の1つである災害対策としては、建造物の耐震構造や火災検知・消火システムの設置、災害の少ない立地の選択などが挙げられます。

日本データセンター協会の定めるデータセンターファシリティ スタンダードでは、データセンターのサービスレベルをティア1~4の4段階に定めています。もっとも高いサービスレベルはティア4です。

地震リスクに対する安全性は、ティア4でPML(Probable Maximum Loss:予想最大損害額のこと)10%未満。建築基準法による評価の場合、ティア4は1981年6月改正の建築基準法準拠にプラスして、耐震性能はⅠ類相当(人命の確保+十分な機能確保)とされています。

消火システムは、一般的にサーバーを故障させてしまう「水」ではなく、人体に無害な窒素ガスなどを使う設備が採用され、サーバーの被害を最小限に食い止める仕組みです。

データセンターの設備について確認しました。次に、データセンターのセキュリティはどのように保たれているのかを見ていきましょう。

データセンターのセキュリティ

データセンターのセキュリティは、主に物理的な対策と、情報セキュリティ対策の2種類に分かれます。それぞれの対策として、具体的に何を行っているかを解説します。

1、物理的な対策

物理的なセキュリティ対策としては、主に外部からの不審者侵入を阻止する防犯対策が取られます。データセンターファシリティ スタンダードによると、ティア1のケースでは、建物用途は複数用途・複数テナント可です。最高レベルのティア4は、建物用途はデータセンター専用であることとされています。

さらに、データセンター内部への不審者侵入対策としては、センター入場の事前予約や多段階・多要素認証を用いた管理が一般的です。1人が入室する際に共連れで入室できないよう、フラッパーゲートなどを設置しているデータセンターもあります。館内の案内板にも、サーバールームの位置を記載しないケースもあります。

また、窓を破壊して侵入されないよう、サーバールームには窓を作りません。出入口には防犯カメラを設置して24時間体制で管理し、映像も保管しておきます。

2、情報セキュリティ対策

一般的にインターネットを介して提供されるサービスは、オンプレミスに比べてセキュリティに懸念があると言われています。特にデータセンターには多くの企業が機密情報や個人情報を保管しているため、サイバー攻撃のターゲットになりやすいと言えます。

そのためデータセンターでは、一般的な企業が採用しているよりも、さらに厳重な監視体制・セキュリティ対策を実施。簡単に攻撃されないように日々運用されています。

24時間・年中無休の監視体制を取り、異常を検知した場合は即座に対応。さまざまなセキュリティ製品と専門家のスキルを活用しながら、データセンターは堅牢性を高めています。

このようにデータセンターのセキュリティは、物理面と情報セキュリティ面の両方で高められており、自社サーバーをより安全に運用可能です。では、データセンターを利用する場合は、どのような方法があるでしょうか。

データセンターの利用方法3種類

データセンターの利用方法は主に以下の3種類です。それぞれどのような特徴があるのかを把握し、自社に適した利用方法がどれかを確認しましょう。

1、ハウジング(コロケーション)

ハウジング(コロケーション)とは、データセンター内のラックなど、物理スペースをレンタルする方式です。自社よりも堅牢性に優れたデータセンターにサーバーを設置することでサーバーの安全性を高める目的で利用します。設置するサーバーやネットワーク機器は自社で用意し、必要な広さやラック数を契約します。

ハウジングは、自社で自由にサーバーマシンや必要とするインターネット回線を選べるという点がメリットです。また、トラブルが発生した場合は自社で迅速に対応できます。

ただし、初期投資や環境設定が必要で、運用も自社で行わなければならない点は、ハウジングのデメリットです。運用を自社で行うため、サーバーの運用管理者が通える場所にあるデータセンターを選ぶ必要があります。

2、ホスティング

ホスティングとは、データセンターに設置するサーバーマシンやインターネット回線をデータセンターのサービス提供者からレンタルする利用方法です。用意されたメニューより、自社に合ったスペックのサーバーマシンやインターネット回線を選択します。

環境構築が不要ですぐに利用でき、運用コストも不要な点は、ホスティングのメリットです。また、データセンターに通う必要がないため、災害に備えて自社とは別エリア(例えば東京なら大阪のデータセンターなど)を選ぶ、ということもできます。

一方、トラブル発生時の対応はサービス提供者任せになるため、いつ復旧するかは把握しづらくなります。サーバーマシンやインターネット回線の選択肢が狭まる点もデメリットです。

3、データセンターで提供するクラウドサービス

データセンターのサービスとして、クラウドサービスを提供している場合もあります。クラウドサービスの場合は、サーバーやインターネット回線を借りるのではなく、サービス提供者の用意した仮想的なサービスを、月額料金を支払いそのまま利用します。

データセンターの利用方法について解説しました。最後に紹介したクラウドサービスとデータセンター(ハウジングやホスティング)との違いは、少し難しいので次で詳しく説明します。

データセンターとクラウドサービスの違い

データセンターの大きな特徴は、「サーバーを安定稼働でき、災害から守る場所を提供する」という点にあります。センター内に設置するサーバーやインターネット回線は、自前かレンタルかという違いはありますが、どちらもサーバーを安全に管理できる点は同じです。

一方、クラウドサービスは、「仮想的なITリソースを提供する」という点が特徴です。ITリソースは仮想であり、データ容量の拡張などはサービス提供側で行いますので、利用者はITリソースを拡張する手間がかかりません。データセンターの場合は、自社でリソースの拡張などを行う必要がある点が大きな違いです。

データセンターとクラウドサービスの違いを把握したところで、次にデータセンターを利用するメリットについて確認しましょう。

データセンターを利用する6つのメリット

データセンターを利用することで得られるメリットは、以下の6点です。

1、保守・運用コストの節減

データセンターのホスティングサービスやクラウドサービスを利用することで、サーバーマシンの保守・運用コストを節減できます。特に節減効果の高い利用方法はクラウドサービスで、その次はホスティングです。

ハウジングの場合は、自社でサーバーやインターネット回線の運用をするため、クラウドサービスやホスティングほどは保守・運用コストの節減効果はありません。

2、24時間365日体制で運用

データセンターでは、サーバーの安定稼働のため、24時間365日体制で常時監視を行い、問題が発生するとすぐに対応できる体制を整えています。自社でこのような常時監視体制を整えるのが難しい場合は、特に助かるメリットです。

自社で同等の管理体制を整える場合、自社リソースで人件費をかけて体制を整えるか、外部より人員を調達しなければなりません。どちらの場合も人件費がかさみますが、データセンターなら割安な価格で厳重な監視体制を整えられます。

3、安定した電力供給や通信状態

データセンターの設備は、サーバーの安定稼働を保つために、多少のトラブルが発生しても電源供給や通信状態を安定的に保つよう整えられています。

電力会社からの電源供給がストップした場合は、非常用電源につないで停電からの復旧までをしのぐ仕組みです。インターネット回線も、複数の回線を用意しておき、メインの回線に通信障害が発生するとサブの回線を利用する、という形で冗長化しています。

4、データ盗難などに対するセキュリティが高い

データセンターは、多くの顧客データ・サーバーマシンを預かるため、厳格なセキュリティ体制を整えています。例えば「Ryobi-IDCサービス」では、ICカードや生体認証、フラッパーゲートによる入退室管理、監視カメラによる常時監視や、ボディスキャナなどのセキュリティ対応を行っています。

自社でここまでのセキュリティ対策を取るのは大変です。特に拠点が多い場合、全ての拠点で厳格なセキュリティ体制を整えようとするとかなりの高コストになります。データセンターを利用すれば、データ盗難に対する高いセキュリティを低コストで実現できます。

5、災害時のデータ破損・消失のリスクが低い

データセンターには、災害(地震・火災・水害など)が発生した場合でもサーバーを守る設備・管理体制が整っている点もメリットの1つです。

立地は、地理・地形的に自然災害を受けにくい場所が選ばれ、耐震・免震構造など建造物の構造で被害を最小限に食い止める工夫が随所になされています。火災検知・消火システムは、作動してもサーバーに影響を及ぼさないような配置にしているため安全です。

6、プロフェッショナルが管理

データセンターで運用管理に当たっている人員は、いずれも専門知識を持つプロフェッショナルです。ITインフラのハード、ソフト両面に強く、問題を検知した場合の対応もスムーズなので、安心してサーバー管理を任せられます。

次は、さらにクラウドサービスと比較した場合のメリットについて解説します。

クラウドサービスと比較したデータセンターのメリット

クラウドサービスと比較した場合、データセンターにはどのようなメリットがあるかについて見ていきましょう。

1、IT機器やネットワーク回線を選べる

データセンターの場合、設置するサーバーを始めとするルータ、スイッチングハブなどのIT機器やインターネット回線・ネットワーク回線を自由に選べます。クラウドサービスの場合も選択肢は多くなってきてはいますが、自由度の点で言えばデータセンターの方が高いと言えます。

2、カスタマイズ性が高い

設置するIT機器の種類や設定内容などを自社の自由にできるというカスタマイズ性の高さも、データセンターのメリットです。クラウドサービスでもある程度設定内容を自由にできる選択肢が増えていますが、データセンターの方がカスタマイズ性の高さでは一歩リードしています。

3、障害などが発生した際に、より速やかに対応できる場合がある

トラブル発生時の対応は、クラウドサービスの場合サービス提供者に任せきりです。自社で対応しなくていい分、楽ですが、いつ対応が完了するかが分かりにくいデメリットがあります。

データセンターなら、自社で対応できる分クラウドサービスに比べてより速やかに対応できる場合もあります。ホスティングで利用している場合も、データセンターに連絡してすぐに対応を依頼できる点はメリットです。

4、コンプライアンス的な問題になりにくい

クラウドサービスの中でも、他社と同じサービスを共有するパブリッククラウドの場合、他社と同じサーバーに自社の機密データを保存することになります。自社のコンプライアンスとして、他社と同じサーバーにデータを保存できない場合、クラウドサービスの利用は問題です。

データセンターの場合は、サーバーは自社専用なので、コンプライアンスの問題にはなりにくいといえます。

データセンターを利用するメリットについて見てきました。ただ、データセンターにもデメリットはあるため、以降ではどのようなデメリットがあるかを紹介します。

データセンターを利用するデメリット4つ

データセンター利用には多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。データセンターを利用するデメリットは以下の4点です。

1、一般的なレンタルサーバーより高額

管理するデータ量が膨大でない場合や、そこまで高いセキュリティ性を求めていない場合は、一般的に見られるレンタルサーバーの方が低コストです。扱うデータやサーバーの重要度、データ量を整理して、データセンターにするかレンタルサーバーにするかを検討しましょう。

2、サーバー構成の拡張性および運用の自由度が低い

社内にサーバー環境を構築して運用する場合に比べ、サーバー構成の拡張性が低い点もデータセンターのデメリットです。事業を拡張してサーバーを増設したい場合、ラックの容量が足りないと追加しなければならず、自動的に拡張してくれるクラウドサービスと比べて不便です。

また、サーバー運用のためにデータセンターに出向く場合は、事前の予約や入退館チェックなどが厳しく、自由度が低いと感じるかもしれません。

3、100%安全というわけではない

データセンターの建造物や設備面では安全性が高いのですが、注意したい点は、運営会社の倒産などによるサービスの終了です。安定した経営をしている運営会社を選び、急にサービス終了にならないようにしましょう。

4、クラウドサービスと比べて運用コストがかかる

クラウドサービスに比べると、データセンターは自社で運用するため、どうしても運用コストがかかります。データセンターの運営会社によっては運用サービスを提供している場合もあるため、クラウドサービスの料金と比較して、どちらを利用するか検討してください。

データセンターのデメリットについて解説しました。データセンターの利用にはメリットとデメリットがあるため、自社に適したサーバーの運用はデータセンターかクラウドサービスかをじっくり検討して決めましょう。

データセンターの利用を決めると、次に確認したいのは「どのデータセンターを選ぶか」という点です。次にデータセンターの比較ポイントを紹介するので、自社に適したデータセンターを選ぶ際の参考にしてください。

データセンターの比較ポイント9つ

自社に向いているデータセンターを選ぶ際の比較ポイントは以下の9点です。順番に確認して、利用するデータセンター候補を選びましょう。

1、立地(利便性、災害リスク)

まず比較したいポイントは立地です。ハウジングでの利用なら、自社サーバーを設置し、運用する必要があるため、サーバーの運用担当者の勤務している場所からのアクセスが良いデータセンターを選ぶ必要があります。また、災害発生時のアクセスについても調べておきましょう。

さらに、災害リスクも重要な観点です。地理・地形両面で災害の被害を受けにくいかどうかの確認や、データセンターを複数のエリアに持つものを選び、サーバーを分散して設置、データの二重化などの対策を行うという方法もあります。

2、提供サービス(MSPを含む)の充実度

MSP(Managed Service Provider)とは、クライアントのITシステムを監視・運用するサービスを提供する会社のことです。サーバーの運用管理もアウトソーシングしたい場合、提供サービスがどこまで充実しているかも重要な比較要素です。

データセンターごとに提供サービスには違いがあるため、自社が必要とするサービスがあるかどうか、また、サービスの具体的な内容を確認しましょう。

3、設備の構造

設備の構造は、「免震構造・耐震構造・制震構造」とFS(ファシリティスタンダード)レベルの2点を確認・比較してください。

免震構造とは、建造物の下に免震装置を設置して、地面の揺れに共振しないようにする構造のことです。免震構造の場合建物の揺れは地面の揺れより小さくなり、建物への被害を小さくできます。

耐震構造とは従来からある構造で、建造物の強度を高めて地震に耐える仕組みです。想定以上の大きな揺れがあると梁などが損傷し、建造物の揺れも免震構造に比べて激しくなります。

制震構造は、建物にエネルギーを吸収する装置を設置し、建物の損傷を抑える構造のことです。揺れの度合いは耐震構造と同程度ですが、建造物の損傷はエネルギーを吸収する装置に留まります。

耐震のレベルでは、免震構造がもっとも高く、次いで制震構造、耐震構造の順になります。

FSレベルとは、日本データセンター協会(JDCC)発行のJDCC-FS(データセンター ファシリティ スタンダード)のレベルを指します。ティア1~4の4段階あり、ティア4が最高レベルです。

データセンターを比較する際には、揺れが小さい「免震構造」かどうかや、FSレベルの高さを確認しましょう。

4、設備の機能性

設備の機能性については、電源設備・インターネット回線・空調管理・消火システムなどを確認します。

電源設備の場合は、電力会社からの2系統受電による冗長化や自家発電装置・UPS(無停電電源装置)の設置などを確認しましょう。停電後何時間まで稼働可能なのかも要チェックです。インターネット回線は、複数のキャリア回線を確保しているなど冗長化されていると、通信障害が発生した場合も安心です。

また、データセンターに出向いて作業をすることを想定している場合は、センター内のアメニティ(作業スペースや休憩所の有無)も確認しましょう。

5、空きラック、空きスペースの有無

データセンターを継続して利用すると、データが多く蓄積され、サーバーやハードディスク機器を増設するケースが想定されます。増設を想定して、ある程度余裕をもってラックをレンタルできるか、そもそも施設に空きラック、空きスペースの余裕があるかも確認しておきましょう。

6、セキュリティ対策

データセンターの物理的なセキュリティ対策としては、入退館チェックや監視カメラ、センサーなど、どのような対策が取られているかを確認してください。

7、サービス品質保証(Service Level Agreement)

サービス品質保証(以降SLA)とは、サービス提供者が、どこまでの品質を保証するかを示す数値やサービス内容のことです。

例えば、「IDCフロンティア」では、インターネット接続サービスにおいていくつかのSLAを定めています。可用性の基準値を99.98%未満と定義。基準値を下回った月は、本サービス利用契約総額の月額料金の10%を上限として減額する、としています。

SLAの定義内容は、データセンターごとに違いがあるため、どのような内容になっているか確認しましょう。SLAを定義しているということは、それだけそのサービスに力を入れているということでもあるため、データセンターの強みを比較する手掛かりにもなります。

8、料金体系

料金体系は、基本的に利用するサービスやレンタルするラック数やスペースの広さなどによって異なります。多くのデータセンターは料金体系を公開していないため、気になるデータセンターがある場合は個別に見積もり依頼を出して総コストを確認してください。

料金の見積もり依頼を出す場合は、利用方法(ハウジング・ホスティング・クラウドサービス)・オプションサービスなどを明確にて問い合わせましょう。

9、サポート体制

事業活動に必要なサーバーを預けるため、サポート体制の確認も必要不可欠です。どこまでサポートを受けられるのか、どこからは自社でする必要があるかを明確にしておきましょう。サポート体制に応じて、運用や環境構築をアウトソーシングすることも検討します。

自社に適したデータセンターを検討しよう

データセンターのおすすめサービスを比較し、選び方などについても解説しました。データセンターは、企業活動にとって重要なサーバーとデータを守るために利用したい施設です。自社の求める要件によって、ハウジングにするかホスティングにするかを検討しましょう。

データセンターを比較検討する際は、建造物の堅牢性やセキュリティ対策の手厚さなど、サーバーやデータを守れるかどうかの観点で確認しましょう。ご紹介した中で気になるデータセンターがあれば、資料を入手してみてはいかがでしょうか。