Indeedの国際的な労働市場に関する調査・研究チームである「Indeed Hiring Lab」は10月5日、自社の蓄積データの分析から生成AIによって影響を受ける仕事について明らかにした結果を発表した。今回の調査では、米国のIndeed上の求人をもとに、生成AIが与える影響のレベル(低/中/高)と、影響を受ける具体的な仕事を特定している。

調査方法としては、過去1年間に米国Indeedで公開された、1つ以上の仕事のスキルに言及した5,500万件以上の求人について、求人内で言及された2,600 以上の個別のスキルを特定し、それを48の種類に分類する方法で行われた。

そして、生成AIの各スキルに対する「得意・不得意」を明らかにするため、主要な生成AI ツールであるChatGPTを活用し、これらのスキルに対する能力を「低い」「普通」「高い」「非常に高い」のいずれかで評価するように求めた。ChatGPTが「高い」と回答したものについては、生成AIが優れたパフォーマンスを発揮できる「得意」なものであり、影響を受けやすいスキルであり、反対に能力が「低い」と回答することは、生成AIが「不得意」なスキルであり、影響を受けにくいと判断している。

このような評価を基に分析した結果、求人全体の19.8%が、生成AIの影響を受けやすく、求人全体の34.6%は生成AIの影響を受けにくいことが明らかとなった。

  • ,生成AIによる影響度別のIndeed上の求人掲載割合 引用:Indeed Hiring Lab

    生成AIによる影響度別のIndeed上の求人掲載割合 引用:Indeed Hiring Lab

生成AIの影響を最も受けやすい仕事として挙がったのは、「ソフトウェア開発」で、求人内で言及されている全スキルの95%以上について、生成AIは能力が「高い」または「非常に高い」(得意である)と回答した。

一方で、トラックやタクシーなどの「ドライバー」は最も生成AIの影響が小さく、ドライバーの仕事におけるスキルのうち、生成AIが能力が「高い」「非常に高い」(得意である)と回答したものは29%に留まる結果となった。

  • ,仕事別の生成AIによる影響の受けやすさ 引用:Indeed Hiring Lab

    仕事別の生成AIによる影響の受けやすさ 引用:Indeed Hiring Lab

また、生成AIには対応できないスキルとして、同社は「人間の直感または高度な推論が必要であるスキル」「手先の器用さ、または身体的な機能が必要であるスキル」という2つのジャンルを挙げている。