セールスフォース・ジャパン(Salesforce)は9月20日、2023年2月28日から4月5日にかけて、日本企業200社を含む、28カ国のITリーダー4000人以上を対象に、AI・自動化・セキュリティなど最新のITトレンドについて調査した「IT最新事情」の結果を発表した。

  • ,

同レポートは、アプリケーション開発へのアプローチの転換、ITサービスの需要と供給のギャップの拡大、自動化と人工知能による変革の影響など、IT部門に影響を与える動向に焦点を当てている。

日本のITリーダーの60%は、自社におけるAIの役割が明確に定義されていると回答した。また、ITリーダーの78%が、近い将来、生成AIが組織で大きな役割を担うようになると考えているという調査結果も出ており、この割合はさらに拡大することが予想されている。一方で、リーダーたちは慎重に取り組みを進めており、63%が生成AIについて倫理的な懸念を示していることも明らかになっている。

また、日本のIT部門の59%が、ビジネス需要への対応に苦心していると回答した。73%が今後1年半の間に需要が増加するだろうと回答していることから、状況はさらに悪化することが予想される。この結果に対して、日本のITリーダーの84%は、これに対処するために業務効率の向上に一層注力していると回答している。

日本のIT部門で、すべてのアプリケーション開発のリクエストに対応できると答えたのは22%にとどまる結果となった。組織のキャパシティを拡大するために、58%がローコードまたはノーコードでのアプリケーション作成ツールを採用しており、36%が分解・再構成を行うことができるコンポーザブル・アーキテクチャを導入している。

コンポーザブルアーキテクチャとは、独自のカスタム技術スタックを構築するためのモジュラー型アプローチで、変更の際は全体変更を必要とする「モノリシック(一枚岩)」アーキテクチャではなく、アプリケーションの一部分のみの変更で対応可能な構成となっているものを指している。

加えて、日本のITリーダーの68%は、ビジネス目標とセキュリティ目標の両立に苦労しており、さまざまな対策を導入するようになっていることが分かっている。具体的には、日本のIT部門の49%がデータ暗号化を、40%が多要素認証を採用しているとのことだ。